固定資産の除却とソフトウェア
おはようございます。
川越・ふじみ野・三芳・富士見エリアで活動する公認会計士・税理士の榎本です。
会計・税務の一つに資産管理に関する処理があり、その中でも固定資産に関しては重要な分野の一つです。
取得、償却、修繕(資本的支出)、売却、買換、廃棄、除却等様々な処理があり、消費税処理を含めた税務処理と一体で考える必要もあるのでその都度悩まれる方も多いかと思います。
以前いくつか固定資産会計に関して以下のような記事を書きましたのでご参考まで。
除却と廃棄処理について
今回は、先程書いたものの中で、除却について考えてみたいと思います。
固定資産は、使用する中で時の経過とともに劣化、パソコンやIT機器であれば新機種がでれば世代が相対的に古くなるなどの陳腐化が発生したりし、いつかは使わなくなり、新品の買換とともに廃棄するもしくは代用品として使用を一時的にやめ、倉庫などで保管することがあります。
廃棄であれば、物理的になくしてしまうので、固定資産を貸借対照表から落とし、税務上もそれに合わせて損金処理(会計上は費用処理)することになりますが、除却の場合は先程書いたように物理的にものが残ってしまう場合があります。
その場合、会計上は資産性のないものは積極的に費用処理をするので、資産から落とすことは容易ですが、税務上は会計ほど簡単ではなく、使用停止の実態がわかることを客観的に説明できるようにしておく必要があります。
除却処理と税務対応
例えば、有形の固定資産で機械等の場合は、製造ラインから外し、電気系統を一時的に使えない状態にした形で、その状態を写真で収めるなど、客観的な資料を揃えることで対外的に説明ができるようにしておくことで、はじめて損金処理が認められることになります。
このあたりは、実際に資産管理をして、会計・税務処理を経験しないと中々しっくりこないところではありますが、殊、税務に関しては税務調査などで指摘される可能性が比較的高い論点なので、客観的資料を具備することに越したことはありません。
また、先に書いたように有形の資産であれば、電気系統を利用不可の状態にするなど、視覚的に確認しやすいですが、ソフトウェアなどの無形の資産になりますと中々視覚的に捉えにくい事が多いので、次のようにすることで対外的に除却したことを説明する資料とするのが一般的です。
例えば、自社利用のソフトウェアであれば、社内において当該ソフトを使用する業務を社内的に停止もしくは撤退したといった事がわかるマネジメントの判断資料(議事録や稟議書等)を除却の要件とする場合や社外向けのソフトウェアであれば、顧客との間で利用を停止することを取り決めた文書や社内の稟議文書等を除却の要件とする場合などが考えられます。(参考:法人税法基本通達7-7-2の2)
また、これに加えソフトウェアの利用停止のわかるログやWEBページであればアクセスができなくなっているなどの画面ショット等も合わせてあるとより客観性が増し、対外的にも説明しやすくなると考えられます。
まとめ
いずれにしても、除却は、廃棄のように捨てるわけではなく、場合によっては形が残っている場合もあるので、税務における損金処理は資料の具備などを慎重に行う必要があります。
【子育て日記】
長男の夏休みも、気づけば残り1週間を切りました。宿題がもう少しなので頑張って欲しいところです。
漢検の勉強と公文の宿題もあるので大変でしょうが。
妹は、機嫌がいいときは兄にスリスリと寄りますが、一度機嫌を崩すと全く反対の態度を。3歳は、難しいお年頃です。