開業前の経費は開業費として計上しよう

おはようございます。
会社を退職し、独立して
事業を開始するまでには、
何かと経費がかかります。
今日は、そんな経費について
どのように処理すればよいかまとめてみました。

開業時の経費は初年度に一括処理しないようにしよう

事業を始める場合、会社員時代は
仕事に必要なモノを貸与されたり、
会社から支給されていましたが、
独立した後は、それらを

自分で用意しなければなりません。

例えば、飲食業の方であれば、
食器、テーブル、イス等が該当しますし、
ITのエンジニアの方であれば、
PCは必須ですし、PCに組み込む
ソフトウェアや周辺機器なども
あろうかと思います。
どのような事業を始めるにも、
多かれ少なかれ開業前の経費が
積み重なり、それらを初年度に
全て経費として計上してしまいますと、
売上がよほど最初から伸びない限りは、

大きな赤字要因になってしまいます。

先日ご紹介した青色申告者の方であれば、
赤字については、
3年間は損失の繰越ができますが、
毎期の損益をより正確に見るのであれば、
やはり初年度にすべて経費で計上するのは
あまりお勧めできません。
また、金融機関からの借入がある場合などは、
赤字よりは少しでも黒字である方がよいので、
対第三者への説明なども意識すると
やはり一括で処理するのは望ましくないかと。

開業費として処理しよう

そのようなときは、
「開業費」として事業開始前の経費を
集計し、損金(費用)化していくことがよいと思います。
開業費は、繰延資産という資産の一種で、
所得税法50条に以下のように定義されています。
(繰延資産については、後日もう少し詳しくご紹介
します)
居住者のその年十二月三十一日における繰延資産につきその償却費として第三十七条(必要経費)の規定によりその者の不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額又は雑所得の金額の計算上必要経費に算入する金額は、その繰延資産に係る支出の効果の及ぶ期間を基礎として政令で定めるところにより計算した金額とする。

また、償却方法(費用化の方法)は、以下の方法で行います( 所得税法施行令第137条第1項第1号、第3項)

 

①60か月の均等償却

②任意で決めた金額

 

要するに、均等償却で
何年かに分けて行ってもいいし、
ある年度に一括で償却してもいい
というある程度
自由度の高い処理が認められています。
個人的には、
毎期の損益をゆがめないようにするのであれば、
均等償却がよいかと思いますが、
最終的には、納税者の判断で
当年度だけではなく翌年度のことなども

考えて決めていただくのがよろしいかと。

また、昨年は黒字で費用にしたけど、
今年は赤字だから費用にしないで繰り越すといった
ことや60か月を過ぎた後でも費用にできたりするのも
②の任意償却が認められているので基本的には大丈夫です。
ただし、過年度の支出分と費用化分、未使用の残高
(まだ経費にしていない分)等を
まとめておく必要はあります。

【編集後記】
昨日は、時間があったので、
ネタについて整理しました。
思い付きベースでため込み
収拾がつかなくなっていたので、
ちょうどいいタイミングでできよかったです。