消費税が10%に上がる今こそ納税準備預金を考える

おはようございます。
川越・ふじみ野・富士見・三芳エリアで活動する公認会計士・税理士の榎本です。

 

経営をする上でお金の管理は重要ですが、納税資金もそのうちの一つです。

 

今日は、消費税が上がる今こそ納税準備預金について改めて考えます。

消費税と法人税の税金の仕組みの違い

ここで最初に整理しておきますと、法人税(個人事業主なら所得税)は、利益=(売上ー経費)がプラスではないと原則発生しません(例外として税務否認事項があり、加算される場合は別ですが)。

 

ですので、消費税が免税の事業者は、納税発生のラインは、利益がプラスになる見込みかどうかで判断をすればことが足りますので、納税資金もそれに合わせて検討すればよいことになります。

 

もちろん黒字にすることに越したことはないですが、赤字であっても固定資産等の償却費を足して利益がプラスになるのであれば、通常はお金が回っていると考えられますから、利益拡大を目標とせず、課税所得を抑えたい方はそのラインを目標とするのが一つかと。

 

一方、消費税に関しては、以前記事にも書きましたが、預り金としての性格が強いため、法人税などのように所得をベースにしませんので、一部の赤字の会社でも納税する必要があります。

 

考え方としては、(預かった税金(仮受消費税))-(払った税金(仮払消費税))がプラスであれば納税する必要があります。ただ、大幅な赤字であったり、固定資産の購入で大きな仮払消費税の支払いがあった場合は、例外として還付になる事も時としてありますが、基本は納税があるものと考えておく必要があります。

 

また、法人税は保険加入等いくつか節税策がありますが、消費税は特にそのようなものがありませんので、なるべくなら少しでも減らしたい方が、無茶な固定資産の購入をして消費税を減らすようなお話を時折聞きますが、個人的には素直に納税された方が会社の資金を考えれば断然有利なのに何でそのような判断になるのだろうと不思議に思うことがあります。

消費税は赤字でも納税があるので決して手を付けてはならない

先ほどまで述べたように、消費税は赤字でも納税の可能性があるので、必ず定期的に預り金としての消費税がいくらあり、既に支払った仮払消費税と差し引きいくらの納税が見込まれるかは把握しておく必要があります。

 

そこで、納税準備預金など特定目的の口座を別途設け、そこにプールしておくことも一つの方法です。

 

こちらのお金は、原則手を付けず運転資金などにも回さないようにしておく必要があります。なぜなら、あくまでこのお金は預り金だからです。これを守らなくなると資金管理も杜撰になり、税金の支払いで後日苦しむ可能性も出てきますので。

 

また、設立当初は、資本金や特定期間の売上、給与支払い等、特別な基準に該当しない場合は原則2年間が免税事業者ですが、将来課税事業者になる可能性があるなら、この免税の時期からその点をしっかり意識する必要があります。

 

例えば、経理は税込でなされますが、簡便的に税抜なら実際いくらの手元資金が残るかなどのシミュレーションをしながら毎月の売上や経費を把握しておくだけでもその後の経営に与える影響が違ってきます。

 

すなわち、課税事業者になれば益税の部分が剥がれ落ちて一時的に売上がしぼみますので、その点を見込んだ経費の使い方というのも意識する必要があります。

まとめ

今日は、消費税と法人税の仕組みの違いを簡単に確認し、消費税は預り金なので納税の発生が将来的にはあることを意識することが必要であると書いてきました。来月以降10%に上がった後に資金的な問題を抱えないように今一度消費税の管理をしっかりしたいところです。

【子育て日記】
昨日は下の子は熱で保育園をお休み。先日来かかっていたヘルパンギーナが治ったと思ったらまた別の症状だったので少し心配しましたが、ちょっとした気管支炎とのこと。今日、は大事をとって病児保育へ。長男は2日間違う保育園なので、ちょっと寂しそうです。