建設業と消費税率改正~請負契約関係~

おはようございます。
川越・ふじみ野・富士見・三芳エリアで活動する公認会計士・税理士の榎本です。

 

気づけば、消費税10%への移行も残り1か月を切っております。

 

今回の税率改定では、経過措置の適用の整理と軽減税率の適用の整理と、営んでいる業種によってはかなり苦労されている方もいらっしゃいます。

 

その中で、今回は経過措置の適用のうち、自分のお客様で少し話題になった請負契約と建設業における会計・税務周りで注意しておきたいことについてまとめてみました。

 

まず、原則として経過措置の適用については、選択適用ではなく強制適用ということを前置きしておきます。そのうえで、以下経過措置に絡んだ各種論点を確認できればと思います。

そもそも請負契約の範囲とは

今回の経過措置の適用となる請負契約には、工事請負、製造物請負(見込み生産の製造は除く)やこれらに類する契約(ソフトウェアの受注制作や設計、地質調査など)が主に対象で、キーワードとして「仕事の期間が長期」、「成果物の一括引き渡し」、「当該契約について注文書が付されている」といったものが関係していることがポイントになります。

 

そして、大前提として当該契約を2019年3月31日以前(2014年10月1日以降のもの)までに契約している必要があります。

請負と着手日の関係について

今回の経過措置では、契約日が2019年3月31日以前かどうかという点が一つの分かれ目となっていますが、その他にもう一つ気になる点として、工事そのものの着手の有無が必要かどうかという点が挙げられます。

 

この点に関して言うと、工事着手そのものまたは着手金の収受等は、経過措置の適用に影響がないという整理で問題ないようです。

請負契約における下請け業者との関係について

工事の場合、元請、一次請、二次請、三次請と多層構造になっていることが実務においてございますが、この場合は各事業者間での契約がどうなっているかということがポイントです。

 

ですので、自社がどの位置にいて、契約がどのようになっているかを確認する必要があります。

 

例えば、自社が一次請の会社の場合、元請とは請負契約を契約していても、下請各社とは請負契約のところもあれば、常傭外注のような取引先もあるので、その場合は相手先ごとに適用すべき消費税が異なってきますので、留意が必要となります。

請負契約と代金の分割支払との関係

実務上の慣習として、請負契約の場合、仕事の進捗に応じて代金の請求(着手金、一次中間支払、二次中間支払、完成時支払等)をする場合があります。

 

このように支払いが複数回にわたる場合であっても、契約そのものが請負契約であり、成果物を一括で引き渡す契約となっている場合は、全体として経過措置の適用を受けることになります(前提として、契約日が2019年3月31日以前)。

 

要するに、支払の時期が改正の前と後に分かれて行われる場合であっても、消費税率には影響を与えないということになります。

まとめ

今回は、販売側の視点と請負工事契約全般の経過措置の適用について確認しました。次回は、支払側やその他派生論点についていくつか確認してみたいと思います。

【子育て日記】
最近下の子が髪の毛を引っ張り自分の髪の毛をむしってしまっているので、調べてみたら、1歳半くらいですとストレスではなく新しいものを珍しがっているだけのようですが、髪が少し薄くなっているのが気になります。

 

兄も下の子に髪の毛を引っ張られることがあり、若干被害を被っています(´;ω;`)