建設業と消費税率改正~仕入税額控除やその他の論点~

おはようございます。
川越・ふじみ野・富士見・三芳エリアで活動する公認会計士・税理士の榎本です。

 

前回に引き続き、建設業と消費税改定の経過措置のあたりでポイントになるところを確認しますが、今回は、派生論点を中心に見ていきたいと思います。

仕入税額控除と消費税率改正

前回は、当事者から見て収受する側の視点での注意点を確認しましたが、課税仕入側も併せて気になるところですので、まずは課税仕入に関してのポイントをいくつか確認したいと思います。

 

大前提として、課税仕入に関しても経過措置の適用を受ける取引を除き、2019年9月までの仕入については旧税率(8%)、10月以降の仕入に関しては新税率(10%)の適用となります。

未成工事支出金

未成工事支出金については、課税仕入の発生した年度にその都度仕入税額控除として経理処理する原則的な方法(①)と対象工事が完成するまでは仕入税額控除として処理せず、対象工事が完成した年度にまとめて仕入税額控除として処理する例外的方法(②)の2通りの処理が消費税の実務において認められています。

 

①,②のいずれの場合も、2019年9月までの課税仕入については旧税率(8%)、2019年10月以降の課税仕入については新税率(10%)を適用することになります。

 

ですので、仮に目的物の引き渡しが2019年10月以降の引き渡しとなる場合に②の処理方法をとっていても、2019年9月までの仕入分については原則旧税率(8%)の適用となります。

物品と外注の課税仕入

また、取引別にみた場合、材料や部材などの物品購入の場合は、課税仕入の判定は納入や検収の基準日が2019年10月1日以降かそれ以前かで判断すれば事足りますが、外注工事などの場合は、以下の3点を確認の上で、旧税率(8%)適用か新税率(10%)適用か異なってきますので、それぞれ場合分けをして、考えていく必要がありますので、注意が必要です。

 

例えば、外注業者との契約が請負契約で、契約日が2019年3月、外注工事の完成時期が2019年11月の場合は、経過措置適用で、8%の旧税率となります。
  • 請負契約かどうか
  • 請負契約の契約日が2019年4月1日以降契約したものかどうか
  • 外注工事の完成時期が2019年10月1日以降かどうか

消費税率改正とその他の論点

代金の増減があった場合

工事契約の場合は、当初決めた金額通り工事が進むとは限りません。

 

例えば、資材価格の値上がり、人件費の値上がりなど様々な要因で代金の増加があったり、一方予定より工期が短縮したり、現場の施工方法を変更した結果、代金の減額があったりと工事代金の増減は、工事契約にはつきものです。

 

このような代金の増減について、経過措置の適用を受けている場合、どのように扱うかが一つ論点とありますが、整理すると以下の通りです。
  • 当初金額よりも増加の場合→増加部分については、経過措置の適用がないため新税率(10%)の適用となります
  • 当初金額よりも減額の場合→当初契約の範囲内の金額変更なので、全体として経過措置の適用は継続され8%の税率が維持されます

 

要するに、当初金額を基準にそれを超える部分は、経過措置適用外、その範囲内であれば、適用ということで整理すると理解しやすいです。

 

ですので、減少増加、増加減少等複数回の代金変更があった場合には、その後の金額が当初契約額と比較して超えているかどうかで経過措置の適用を判断いただければよいかと思います。

 

注意点

ただ、一つ注意点としてあるのは、当初の契約とは別個の追加工事などが新たに発生した場合は、その工事自体は当初契約とは別ものとして、全体が経過措置の適用外となります。

出来高に応じて代金をもらう場合

同種の工事を多量にこなし、出来高に応じて代金を収受する場合や一つの工事において出来高に応じた代金の収受が慣例となっている取引がありますが、このような場合は、出来高請求に応じて資産の譲渡等があったものとして考えます。

 

そのため、消費税率の適用については、出来高の発生時期がいつか2019年9月までか10月以降かだ適用する税率を判断することになります。

 

なお、当該工事に関しては、経過措置の適用がない工事を前提としています。

まとめ

2回にわたって、建設業と消費税率改正についてみてきましたが、それなりに論点がありますので、今後決算を迎える際にはこの点を改めて確認しつつ、お客様の処理が適切にされているかを確認できればと個人的には思います。

【子育て日記】
下の子の歩ける歩数が最近飛躍的に伸びています。当初中々歩こうとせず心配していましたが、最近では逆に歩けすぎていろんなところに行って怪我したりしないかの方が心配になっています。

 

でも、長男が目配せしてくれているのでそのあたりはホントに助かります👍