何事にも利益相反はあるもの~利益相反について考える~

おはようございます。

 

川越・ふじみ野・富士見・三芳エリアで活動する公認会計士・税理士の榎本です。

 

先日、新聞で老後の資産形成に関するシリーズが記事になっていました。

 

その中で、少し気になったのが、金融商品を勧める販売員が利用者の立場にしっかり立って販売できておらず、特に高齢者の方は、金融商品に関しての知識も相対的に乏しいので、そこを十分に説明しないまま販売し、ご家族の方が後になって気づいてトラブルに発展するといったことがあるようです。

 

ビジネスをする上で、お互いの利益相反ということは、少なからずありますので、今日はそういった場合の相手とのやり取りや考え方について掘り下げてみます。

利益相反がある人の話は慎重に聞く

金融機関とお金を借りたい人、保険に加入する人と販売代理店、金融商品を購入する個人と金融商品を販売する金融機関、仕事や業者を紹介する会社とユーザー等世の中には、二者間での利益相反のある取引が往々にしてあります。

 

例えば、先ほど冒頭で出てきた話に関連しますが、資産運用を考える方と資産運用のために金融商品を販売する金融機関等は、利益相反が生じることがあります。

 

なぜなら、資産運用を検討する人の中には、資産を増やしたい若しくは少しずつでも増やそうと思っているものの、リスクはなるべく抑えたいと考える人も一定数いらっしゃいます。

 

一方、金融商品を売る方は、手数料を少しでもほしいと考えますし、そうなるとどうしてもリスクが高い商品へ意識が向き、高リスク商品を販売しようという方向に動いてしまいます。

 

このような話は、意外と身近にあり、以前人づてに聞いた話では、地元の金融機関に「新興国通貨の定期預金は、利回りがよいので長期預金にはよい」と勧められたという方がいらっしゃいましたが、少し金融商品を勉強した人なら、恐らくこのうたい文句だけでは決して買わないということになります。

 

確かに外貨預金で新興国通貨の預金は、日本円の定期預金の数十倍以上の利息が付きますが、為替交換手数料が高い点や通貨安を起こしやすいといったリスクがあるため、満期日に通貨安の状態であったら、簡単に元本割れを起こしてしまいますので、単に利回りがよいといううたい文句だけで購入するのは個人的にはかなり危険かと。利回りが高いという裏には、以下のようなリスクがあります。
  • カントリーリスク(通貨国そのものが抱えるリスク:紛争が時々起きるなど)
  • ポリシーリスク(通貨国の政治リスク)
  • 流動性リスク(その通貨が市場で流通している量:量が少ないと交換にも手数料がかかったりと何かと不便)
  • 信用リスク(その通貨の信頼性)など

 

外貨取引をする際には、以上の様々なリスクが潜んでおり、それを反映しているからそのリスクに見合った利息がつくのであり、その点を十分に説明してもらえていないのであれば、購入は見送るべきかなと思います。

 

人によってリスクの許容度やほしい収益はまちまちなので、そのあたりをしっかりと考慮した形で話を進めないと大抵の場合この利害対立がトラブルを生む結果になってしまいます。

 

もしこのようなお話があった場合、ご担当者の方は購入しているかどうか確認するのも一つかと。個人的には、その担当者が買っていないのであれば、見送りかと。人に勧めるのに自分で買わないということは、何かあるのかと個人的には思いますので。

税理士も利益相反には気を付ける

税理士も仕事をする際に利益相反に注意しなければならないことがあります。

 

税理士の場合は、行動規範となる税理士法に独立公正な立場を保持することが書いてありますので、その点は常時意識されているはずであり、基本的には税理士は納税者の立場に立って考えるので利害対立は発生しにくいと考えております。

 

それゆえ、通常の税理士業務の範囲においては、納税者の方にとっての有利な税制の選択や税制の紹介をし、お客様と最適な解を見つけていくことになりますので、税理士業務を行う上では、利害対立というのは、生じにくいということです。

 

ここで、税理士業務の範囲と書いたのは、税理士事務所によっては、税理士業務に派生した仕事を行っている事務所もあるからです。

 

例えば、保険の代理店がその一つです。そうした場合は、先ほど買いたいような代理店としての立場でお客様と接することも出てくるため、お客様本位になれないことも中には出てくるのではないかと思います。

 

個人的な意見としては、自分自身、保険のプロでもないし、あくまで本業は税務や会計の専門家として経営や税務上の戦略をお客様と考えることなので、提携をしている保険業者さんにその点は、全てお任せし、自分自身が窓口になり、利害対立を生まないようにはしております。

 

人間どうしても、煩悩というものがあるので、その点を100%排除できる方はいいのですが、そのあたりも難しいので、予めそういった取引に直接関係しない体制を作っておくことがお客様との間で利益相反を生じさせないための最善策かと思います。

まとめ

世の中には、このような利害対立が常時存在しますので、その当事者になった時には、常に話の内容を割り引いて聞き、相手がホントに自分のことを考えているのかを見極める必要があるかと個人的には思います。

【子育て日記】
長男は、運動会が近づいていて保育園でもいろいろと練習しているようですが、縄跳びがなかなかうまくいかないよう。



何とか教えてあげようと頑張ってみましたが、やり方が気に入らなかったのかその後一緒に練習してくれません。他にも競技があるので、こだわる必要はないので、まぁいいかといったところですが。

 

下のこは、最近本を読むのがお気に入り。最近のブームは、「おべんとうバス」。食べるのが好きなようです。