月次決算を心掛けよう!
おはようございます。
川越・ふじみ野・富士見・三芳エリアで活動する公認会計士・税理士の榎本です。
昨日は、台風前とは思えないほどすっきりとした秋晴れ。統計上10月10日は晴れの日が多いこともあり、前回昭和39年の東京オリンピックの開会式にも選ばれた日です。
さて、法人を経営している方はもちろんですが、個人の方でも毎月の月次決算締めは、確定申告を見据えて行っておくに越したことはありません。
今日は、そんな月次決算で主に行っておけばよい最低限のことを自分の実際の月次業務をもとに整理してみました。
月次決算と損益計算書関連項目
売上の確定
まずもって大事なのは、当月の売上の確定になります。
レジ締めなどを行う小売業や飲食業でしたら、POSレジからジャーナルを出して集計することができたりするので、集計作業等は比較的少なくて済みます。
一方、その他の業種の場合は、何らかの形で集計し、月単位の発生を抑えることが必要となります。
自分自身の月次作業としては、売上の計上が漏れないように、以下の「取引先一覧の作成」と「売上集計表の作成」といった2つの表をエクセルなどで作成し、それをもとに請求書の作成や会計帳簿への記帳をしています。
2つのデータを作成することは、整合性の確認を通じて漏れや気付きを与えるのに意外と役に立ちます。特に小口の取引が多いお仕事をされている場合はこのような一覧表から集計表を作るといったことが重要になります。
- 取引先一覧⇒自分は、お客様毎に契約形態、契約内容、契約単価、契約金額等を記載したものを作り、現状の取引先の状況を確認できるようにしています。
- 売上集計表⇒取引先台帳とリンクさせ、そのデータをもとに月次のを確認しています。
取引先の一覧表を作らず、集計表だけを作っているとどうしても、漏れが起きやすいです。
以前の事務所で担当していたお客様の中にも集計表は作られているのですが、現状の顧客データをまとめていなかったために、取引先への請求が漏れてしまうといったことが実際に起きていました。
ですので、個人的には、ベースとなる取引先一覧を作成し、それを適宜更新することで、毎月の売上の発生などを漏らさないようにしていくことができると思います。
費用項目の確認
売上の確定と合わせて大事なのが、発生した経費の集計。
当たり前のことですが、経費が漏れれば、利益が増え、税金も増えてしまいますので、毎月発生した経費については、必ず集計し、会計帳簿に記帳する癖をつけましょう。
特に、先方からの請求書があり、振り込みなどで支払っている場合は、まだ履歴が残り、漏れは防ぎやすいですが、現金支払いの場合は、領収書などを残し、正確な出納帳を付けていない場合は、経費が漏れてしまうことが往々にしてあります。
一つ一つは小さいかもしれませんが、何事も塵も積もれば何とやらです。
ですので、自分は、このようなことがないように、振込以外の経費については、領収書が発生した都度、専用のビニール製の子袋(100円均一で手に入ります)に入れ、とっておき、週次単位等でスマホで撮影し、会計ソフトに自動で取り込んでいます。
レシートなどの領収書は、紛失しやすいので、財布以外に何か収納する簡易なケースを用意し、これらに集めることが個人的には必要経費の漏れを防ぐ一つの手段かと考えます。
もちろん、出納帳をエクセルなどでマメにつけられればいいのですが、小規模な事業者ですとどうしてもその部分に時間を避けられないことが多いです。
重要なのは、資料の紛失を予防することなので、何か一つのケースに集めるなどの対応が一番やりやすいかと自分自身実践してみて思いました。
自分自身で経理をまとめるには、このような資料収集と合わせ、作業そのものの漏れを防ぐチェックリストを使うことで、費用の計上の網羅性を確保できます。
自分も、毎月発生する作業については、簡単なチェックリストを作り、それを見ながら毎月経理を行っています。
新しい事象が生じた場合やイレギュラーなものについても併せて記載し、どの月やどのタイミング(毎月なのか、年2回なのか、1回なのか等)でそれが発生するかも書いておくと作業がスムーズに進みます。
家事関連費用と事業関連費用の按分
この他に注意する作業としては、家事関連費用と事業費用がある場合、合理的な数値を使って按分します。
例えば、個人の口座から携帯電話や家賃が支払われている場合、その一部が事業用として経費計上ができる場合は、その費用の按分を行い、損益計算に反映してあげる必要があります。
月次決算と貸借対照表関連項目
以上の損益計算書関連の項目がしっかりもれなく計上されているかを担保する作業の一つに残高の確認業務があります。
預金残高の確認
預金データについては、売上債権の入金や支払債務の支出、経費の支払い等が記録されており、それらを適切に会計帳簿に反映しますと、会計帳簿と預金データの残高は理論的には一致します。
この考え方に基づいて、残高確認作業をすることで、当月の入金、出金が漏れなく会計帳簿に反映され、先ほど書いた損益計算の作業も適切に行うことをサポートしてくれます。
この他にも債権債務の残高確認等いくつかのあるべき残高の確認を通じて、税金計算に重要な損益計算の計上が正しくされているかを確認します。
まとめ
月次で定期的に収入や費用をまとめておくことで、決算が近づいたときにどれくらいの利益が出て、どういった形で節税を行うか、税金の支払いがどれくらい見込まれるか等を概算ですが把握できます。
そうすることで、納税のための資金を少しでも早いタイミングで準備できたり、従業員の方への決算賞与の資金を用意するなどの対応も前倒しでできるので、決算時に合わせてずに済みます。
月次で決算をまとめるのは、億劫と感じる方もいるかもしれませんが、このようなことも慣れだと思いますので、めんどくさがらず、月次決算から得られるメリットを感じられるように頑張ってみてはいかがでしょうか。
【子育て日記】
長男は、このところ以前ほど寝起きが悪くなくなりましたが、一度起こしても毎朝3分ゴロゴロは欠かさずします。カップラーメンのように時間が経つとシャキッとするようです(笑)。
下の子は、自分の目の前のご飯がなくなるとすぐさま長男が食べきっていないおかずに目を光らせます。野生のハンターのようです(笑)