マイナンバーカードで医療費控除をしやすくなるようですが・・・

おはようございます。
今朝、日課である朝のごみ捨てを
して新聞をとって、花の水やりを
戻って日経新聞を見ると一面に
マイナンバーカードを使って医療費控除を
効率的に行うという内容がでておりました。

医療費控除をマイナンバーカードで簡素化

制度の大枠として、医療費控除の手続すべてを
自動化することが目的で、そのためのツールとして
マイナンバーカードを活用した新システムを導入する

ようです。

デジタル社会における生産性の向上と経済成長を
目的としているようですが、果たしてどうなのか
という疑問は残ります。

(ちゃんと機能するといいのですが…)

官主導ということなので、現在のマイナンバーカードの

普及率の悪さが示すように、うまくいくのかどうか…

現在でも電子申告やスマホを使った
申告など少しは、デジタル化を進めていますが、
今回の大きな狙いは、一番手間のかかる資料の収集・保存を

不要にしようとしているところにあります。

現在の医療費控除の利用者は、年間で約750万人と
言われていますが、資料の収集や保存が煩わしく
申告をやめてしまっている方も
多くいらっしゃるので、このあたりの人にも
申告をしていただくことができればと当局は

考えているようです。

実際に、税理士事務所での確定申告業務の中で
医療費の領収書の集計はかなりマンパワーのいる
作業でしたので、ここが軽減されるなら
税理士事務所で働く方々にとっては

少しはメリットがあるかもしれません。

ただ、これにはマイナンバーカードが必要となるので
マイナンバーカードの預かり、保管その他、
マインナンバーカードの取扱を

どうするかといった問題は残りそうです。

恐らく、現在個人で確定申告されている方にとっては、
メリットがありそうですが
税理士事務所に依頼しているかたにとっては、
今回のメリットを享受することができるかは、
疑問が残ります。

いつから始まるのか

時期は、2021年分の医療費控除からなので
2022年の確定申告が対象。
新システムは、健康保険証をマイナンバーカードとして
利用できるようにし、保険診療のデータを
政府が運営するシステムとつなぎ、
併せて国税当局側のシステムとの連携を図ることにより
手続の簡素化を図っていくようです。

手続の流れとしては、概ね以下の通り。

  1. マイナンバーカードで個人認証
  2. 国税庁の確定申告書作成サイトへ
  3. 「医療費通知」のボタンをクリック
  4. 年間の医療費が基準を上回っていれば
    そのまま申請(領収書の保存の手間は不要)。
    基準以下なら申請できない

概ね以上の流れで申告が簡素化できるようですが、
これには海外の動きも影響しているようです。

まずはマイナンバーカードの普及をすべきでは?

韓国では、電子申告の利用率が9割を超えていたり、
旧ソビエト連邦のエストニアという小国では、
個人番号カードでほぼすべての行政手続が
完結できるなど、世界的に見ると
日本の行政手続の電子化が遅れていることも

今回の動きにつながっているとみることができます。

ただ、見切り発車で進めたマイナンバーカードの発行は
2019年4月時点で1,666万枚と13%程度しか普及していません。
現在では、すべての行政業務がマイナンバーカードに

対応しているわけではありません。

実際にあった話ですが、
先日も役所で印鑑証明書を発行してもらう時に
マイナンバーカードではできないといわれるなど、
まだまだ行政手続だけでみても

一体化・効率化が不十分なところが見受けられます。

そもそもマイナンバーカードの普及をすすめない限り、
今回打ち出した計画も絵に描いた餅となりそうですが、
保険証をマイナンバーカードとして利用するという
この方針がそもそもとん挫した場合は、今回の計画も
水泡に帰してしまうのでしょうけど。

マイナンバーカードをもっと使いやすくしないと

個人的には、保険証だけではなく金融機関やクレジットカード
との一体化も併せて行っていかないと利用する国民側の

意識も変わっていかないのではないかと思います。

逆にこれが可能となれば、各機関での設備投資が必要となり
経済効果もかなりの規模で生まれてきますので、
効率化と経済効果の一石二鳥の効果が得られそうです。

確定申告制度そのものの見直しも必要では?

また、今回の目玉は、医療費控除の簡素化をうたっていますが、
確定申告制度そのものに国民の関心をもっていかないと

効果としては薄い気がします。

そのためには、まず年末調整業務を会社が行うのではなく、
米国のように給与所得者も確定申告により税金の還付を

受けられるようにする必要があります。

これにより、今まで必要な資料を出せば税金が還付されていた
給与所得者も確定申告をしないと税金が返ってこないので、

否が応でも確定申告をする人が増えると思われます。

これと合わせて、マイナンバーを利用した確定申告の簡素化を
うたえば、マイナンバー利用者の母集団も増え、
それなりの効果が期待できるのではないかと思います。

まとめ

いずれにしても、まずは国民がマイナンバーカードを使う必要が
出てくる仕組みを作ったり、マイナンバーカードに関心が持てるような
取り組みをしていかないとマイナンバーカードと一体の
諸々の制度が普及していかないかと思います。

【編集後記】

今週から毎週水曜は生協の受け取りをしてからの出社になります。
忘れないようにしないといけません。