キーエンス大解剖を読んでの感想

おはようございます。

 

ふじみ野・川越・三芳・富士見エリアで活動する公認会計士・税理士の榎本です。

 

先日、ふらっと立ち寄った本屋でタイトルにある「キーエンス大解剖」という本が目に留まりました。

キーエンスって??

世間一般の方は、この会社の名前を聞いてもおそらくピンとくる方はほとんどいないと思います。

 

なぜなら、扱っている製品がメーカーの工場向けのセンサーを中心とした製品が主なもので、いわゆるBtoBのマーケットを中心に活動する会社だからです。

 

しかし、時折新聞などで日本一給料の高い会社として取り上げられることもあり、そのあたりで目にする方は目にしているかもしれません。

 

よくニュースで取り上げられる給与の高い会社は、総合商社、証券会社、コンサルや投資銀行関係などのが多いですが、キーエンスは一応メーカーという企業分類ある中で、これらの会社をしのぐ給与水準を確保できている点は、個人的には以前からすごく関心がありました。

 

また、メーカーなのに、営業利益率がなんと50%超(同業のオムロンでは、その数値が年度によりますが、押しなべて10%前後なので、そのすごさは一目瞭然)という、通常では考えられないような数字なのです。

 

ちなみに、自分は、大学時代のゼミ長がこちらの会社に入っており、その後もキーエンスで長く働いているので、会社名や会社がやっている事業の大枠は知っていましたが、会計士としてすごく気になる営業利益率の高さについては、この本を読んでなるほどと思うところがありました。

 

その秘密は、キーエンスの商品・製品は、基本的に売価の設定に関して通常の会社では考えられないような水準にすることを基本にしているからだということがわかりました。

 

ただ、その水準を買う側が納得して受け入れるということに関しては、キーエンスとしてのお客様への向き合い方が関係しているのではないかと個人的には思います。

当たり前のことを当たり前にできるキーエンスのすごさ

その一つに、当たり前のことを手を抜かずに組織全体としてしっかりとやり通すということ。

 

例えば、お客様の訪問時に、帰り際に「ほかにお困りごとはないですか」といった、もう一段の気遣いなどがあります。

 

このようなことは、すごくシンプルな話ですが、通常組織は、様々人がおり、年代の違いや性別、性格、現在置かれている個人の環境の違い、それまでの生い立ちなど、多様な人が集まる中で皆の意識統一や能力の均質化をするというのは、想像以上に難しいのが一般的です。

 

こうした違いは、結果としてお客様への対応の差としてどうしても出てきてしまうため、お客様にとっての満足度というのにもばらつきが出てきてしまいます。

 

その結果が例えば製品やサービスの値付けに少なからず影響し、価格交渉で相対的に弱い立場になってしまうことが往々にして起きるのではないかと思います。

 

逆にこうした点でディスアドバンテージにならないキーエンスの一体感は、価格設定などの面でも強みを発揮できるのではないかと感じます。

性弱説とキーエンス

もう一つなるほどと思ったのは、人に対する考え方

 

一般的には、日本では性善説、欧米では性悪説といった形で人間本来の性質がどういったものかという前提を置いていますが、キーエンスではこの考え方を性弱説という形でとらえています。

 

要するに、キーエンスでは、人は生まれながらに弱い一面があり、どうしても楽な方向へ流されてしまう弱い生き物という認識のもと、人がいかに手を抜かずに当たり前のことを効率よくかつ効果的に実行できるかといった仕組みを設けています。

 

この点も、会計士的な視点で見ますと内部統制の予防統制の考え方(エラーやミスが起きないように事前に予防する仕組み)に少し似ていて、おもしろいなと感心しました。

まとめ

他にもいくつかこの会社の強さの根源となることがこの本には書かれていましたが、自分が一人で仕事をしていくうえでも発想や考え方ですごく参考になるところがあったので、興味を持った方は是非一度読むことを勧めたいと思います。
【子育て日記】
長男も長女も新しいクラスに少しずつですが慣れてきた様子。長男の先生は、新任の先生なので、年齢も近く長男の好きなサッカーを一緒にやってくれるようです。

 

長女も年少の時に担任だった先生が最後の一年間見てくれるようなので、こちらも親としてはうれしいところです。