フリーランスが外注業者を使う際の源泉徴収について

おはようございます。
川越・ふじみ野エリアで活動する
公認会計士・税理士の榎本です。

 

先日、新聞で、フリーのエンジニアが
急増しているという記事を目にしました。
実際に、自分が最近まで決算支援を
していましたIT系の会社でも
案件の対応に内部人材だけでは
間に合わないのか沢山の外注業者を
使っていました。

 

恐らく、その会社もたくさんの
フリーエンジニアと業務委託の形で
仕事の受委託をしているのかと思います。
このように外部の業者ん業務委託という
形で仕事を依頼する際に問題になるのが
報酬にかかる源泉徴収です。
今日は、フリーエンジニアを含めた
フリーランスと
源泉徴収について整理してみます。

フリーランスが源泉徴収義務者になる場合とは

給料や専門家、外部業者などの個人に
対しての「報酬」等
「支払う者」(法人、個人いずれも)は、
事前に一定の所得税を徴収し、
定められた期限までに
この税金を納める必要があります。
相手が法人の場合は、あるかる必要
はありません(下表参照)

 

独立する前に、会社員でいた方は
もれなくお給料から引かれていた
所得税をひかれていたと思いますが、
あれもこの源泉所得税の一つです。

 

納税義務者/報酬の支払先
個人
法人
個人
×
法人
×
〇:要件を満たす報酬には源泉徴収必要
×:源泉徴収不要

 

さて、この源泉徴収ですが、
先ほど書きましたように、
給料や報酬を支払うものが
徴収義務を負っていますので、
万が一徴収を失念し、納付が遅れたり
忘れた場合は、
「徴収される方」ではなく、
「徴収する人=支払いをする個人(法人)」に
不納付加算税などの追加の納税義務が生じます。

 

何が言いたいかと申しますと、
会社を独立し、フリーランスの方が、
外注業者の方を使うことになった場合に
依頼するお仕事が源泉徴収対象になるものか
どうかを確認しておく必要があるということです。
先ほど書いたように、納付漏れや失念を
税務調査等で指摘された場合には、
依頼元であるご本人に追加の納税等の責任が
生じてきますので、万が一相手からの請求書に
記載がなかったとしても実態が源泉徴収の対象となる
報酬である場合は、ご自身で調整するか
先方と確認して直すなどの対応が必要です。

 

なお、フリーランスの方でも
パートさんなども含め給与を支払う方を
雇っていない場合(ご本人と外注業者だけ)には、
徴収義務が免除されます(所得税法204条2項2号)

 

ただし、ホステスさん等への報酬だけは
この免除の対象外となります(所得税法204条2項3号)

源泉徴収の対象となる報酬にはどのようモノがあるか

それでは、どのような支払いが
源泉徴収義務の対象となるかについてですが、
法人または個人(従業員に給与を支払っているもの)
以下のような支払いを行った場合(個人を相手に)には、
所得税の源泉徴収をする必要が出てきます。

 

  • 原稿、デザイン、講演料など
  • 弁護士、公認会計士、税理士、司法書士、
    社会保険労務士などの専門家
  • 社会保険診療報酬支払基金より支払われる診療報酬
  • 野球選手、格闘家、競馬の騎手、モデル等への報酬
  • 映画、演劇などの芸能関係に関しての出演料
  • ホステス・コンパニオンへの報酬
  • プロスポーツ選手の契約金
  • 広告宣伝のための賞金又は馬主が受ける競馬の賞金

まとめ

源泉徴収は、
給与計算などをした経験のない方ですと
納付や徴収を忘れたり、
理解しにくい部分があります。

 

一方で、納税義務者は、報酬を支払う事業者の方
ご自身になってきますので、ご自身で
しっかりと管理する必要があります。
不納付加算税などの罰を食らうのを
なるべく避けるためにも
独立して外部業者を使われる際には、
一度事前に整理しておくことを
お勧めいたします。

【子育て日記】
長男は、昨夜から発熱と
おなかの調子が悪いので、
本日は二人でお家でゆっくり療養
長女は、保育園でもお家でも
よく水分を取ります。
小さな体でよく飲むなぁと感心