簿記未経験の方にとってわかりにくい減価償却のあらましについて

おはようございます。
川越・ふじみ野・富士見・三芳エリアで活動する公認会計士・税理士の榎本です。
個人で事業を始めると経理処理で悩まれることの一つに減価償却という考え方があります。簿記をご存知の方であれば、違和感なく対応できるのでしょうが、簿記未経験の方にとっては少し厄介なモノですので、今日は、ひとまず、あらましについて触れて見たいと思います。詳細については、別途ご説明いたします。

減価償却とは

まず、事業で使う資産を購入した時、金額が小さい場合は、普通「経費」という言葉をよく使いますが、経費として「全額」その年の費用(損金)で処理することが多いです。

 

ただ、備品、車両、機械、設備、器具・工具等、中には金額が一定以上のモノを購入した場合には、全額をその年の費用(損金)として処理せず、一旦資産計上したのちに、複数年に渡り、資産の減価を経費として反映する(損金)処理をしていきます。

 

この処理を減価償却といいます。

 

一定金額以上のモノと書いてありますが、原則10万円以上のモノが対象です。(10万円のとらえ方は、一式、一個、一セット等モノによって括り方が異なりますが、ここでは詳細は割愛します)。なお、原則と書いたのは、例外処理があるからです。それについては、以下で解説いたします。

減価償却の例外処理

先ほど資産計上すべき金額が10万円以上と書きましたが、中小規模の事業者の場合は、年間で一定金額まででしたら、30万円未満のモノは資産計上せずに損金処理できます。

 

ですので、20万円のパソコンを5台購入し、総額100万円となった場合でも、減価償却をせずに一括で損金処理が可能となります。

 

ただ、一つ注意すべきは、先ほど一定金額と書いたように、損金処理できる枠があります。その枠は、年間で300万円分までしかありませんので、その限度額を超えてしまわないように注意が必要です。

 

また、300万円という金額も12か月(1年間フル)事業として活動した場合の金額ですので、事業開始当初、最初の年度が8か月しかない場合は、300×8/12=200万円が限度額となります。

まとめ

この他に一括償却資産というもう一つの例外処理がありますが、中小規模事業者の場合、多くは先ほどの中小企業者特例と呼ばれる30万円未満のモノを一括費用処理する方法が一般的なので、ひとまず、そちらだけを覚えておいていただければOKかと。

 

30万円を超えたら、固定資産台帳に計上し減価償却。それ以下のモノは一括費用処理といった形で覚えておくと、資産購入の際に一つの判断指針になると思います。

【子育て日記】
昨日お祭りに行く際に、妻が後から来るということで子供と3人で家を先に出ましたが、妻がなかなか追い付かず、長男は心配になり何度も後ろを振り返り確認していました。下の子は特にそのような素振りを見せず。やはり、上の子の方が心配性で甘えん坊なところがあるのかなと思いました。