日本の企業統治にも変化の兆し!?

おはようございます。
川越・ふじみ野エリアで活動する
公認会計士・税理士の榎本です。
今週は、3月決算企業の
株主総会のピークです。
日本の企業統治にも
変化の兆しが見受けられた
出来事があったので改めて
少しアウトプットして
整理してみます。

リクシルの株主総会が示す企業統治の変化

2019年6月25日、
リクシルグループの株主総会が
開催されました。
役員の選任については、
会社側が提案した
役員案ではなく、
株主側が提案した役員案が
可決されたとのことです。

 

リクシルは、
昨年来、元CEOの瀬戸氏と
創業家出身の役員との間で人事・経営を
めぐる問題で対立しており、
今後のトップをどうするかを含め、
今回の株主総会では
会社経営人の選任が焦点と
なっていました。

 

今回の株主総会の結果、
瀬戸氏を支持する役員が
過半を占める形になり、
瀬戸氏がCEOに返り咲くことが
濃厚になり、今後の会社の
立て直しが期待されます。

 

従来の日本の上場起業の
株主総会では、
役員の選任などは
会社側が提案する役員案が
可決されることがほとんどで、
株主側の提案は受け入れられ
にくい状況が続いてました。

 

今回のリクシルの株主総会では、
海外の機関投資家
(物言う株主ではない
通常の投資家)などの
意見も十分取り入れられ、
保守的であった日本の
機関投資家も株主側の
意見を最終的には支持しました。

 

昨今は、日本企業の
品質不正問題や経営者自身の
不正が頻発して、
日本企業の統治について
海外の投資家から問題視
されてきていましたので、
今回の出来事が
日本企業のガバナンス
機能が発揮された一例として
今後の日本の企業統治にも
生かされていけばよいと
思いました。

あらためて企業は誰のモノかを考える

さて、今回の出来事で
あらためて企業、正確には
株式会社は誰ものモノか
ということを考えさせ
られました。

 

教科書的には株主のモノ
と答えればOKでしょう。

 

ただし、現実はそうも
行かないところがあるのも
事実です。
従業員、社会、債権者等
色々といわれたりしています。

 

本来、株式会社は、
株主の出資により
設立され、会社として
事業を行うわけですが、
会社は機動的な
意思決定が必要となるため、
一般的には所有と経営を分離し、
株主は所有し株主総会を通じて
監視・統治するにとどめ、
通常の意思決定を
取締役に委任する形で、
運営されます。

 

しかし、日本のほとんどの
株式会社は同族会社で
この分離はとられていないので、
株主=経営者となっているので、
このことを忘れがちです。

 

そして、日本の上場企業の
多くも所有と経営を分離し、
経営陣にすべてを任せ、
株主は所有者という地位を
持つのみで、
本来の統治・監視する
という意識が弱まってきました。

 

しかし、2000年代以降物言う株主
としてのアクティビストの登場や
今回のリクシルの例にも見られるように
徐々にはですが、株主の
統治者としての意識が
少しずつ芽生えてきた
ことが見て取れます。
この結果、あらためて
会社は株主が所有し、
監視するということが
再認識されていくのでは
ないでしょうか。

まとめ

ここ何年かの間に
コーポレートガバナンスコード
(企業側が守るべき統治指針))が
日本でも導入され、
企業統治に関しての下地もでき、
株主や会社を取り巻く利害関係者を
意識した経営をとることに向けて
意識改革が図られてきています。

 

今回のリクシルの株主総会での出来事は
ほんの一例にすぎませんが、
今後もコーポレートガバナンスが
健全に機能する環境が整えれている
事例が生まれることが望まれます。

 

経営陣は、株主をはじめとした
ステークホルダーを
意識した経営を行い、
株主をはじめとした
利害関係者がしっかりと
経営陣を監視し、
健全な統治環境を
作っていくことで日本の株式会社を
取り巻く環境が成長していけば
今後も日本への投資を海外から
呼び込める状況は作っていけるのでは
ないでしょうか。

【子育て日記】
昨日は、待ちに待ったプール開き
でした。
当初は、一昨日でしたが、
天気が悪くすいか割だけで
終わり、ちゃんとは入れたのは昨日。
下の子も、小さいビニールプールで
初めてのプール遊び(実際は水浴び
程度でしょうが)をして
楽しんでいたようです。