四半期決算・月割処理をしていることで起こる勘違い

おはようございます。

 

川越・ふじみ野・三芳・富士見エリアで活動する公認会計士・税理士の榎本です。

 

会計士業務(主に会計監査)をしていると四半期毎に決算で会計処理を検討したり、決算書を作成しますので、どうしても頭の中では費用処理や収益認識を月割りし、四半期で区切ろうとしてしまいます。

 

一方、非上場のお客様への税務申告業務は、予定納税や中間納付等があるものの、基本的には年度での申告が一般的であるため、それに関連した税務の処理も年度で考えるように作られています。

 

先日とあるお客様の四半期決算業務をサポートしているときに、「一括償却資産」の処理で「あれ?」と思うことに遭遇しました。

一括償却資産と月割配賦

一括償却資産とは、固定資産の処理を勘弁的に処理できる税務上の償却方法のオプションの一つです。

 

通常、固定資産は、一度資産計上して耐用年数に応じて償却するのですが、10万円以上20万円未満のもの(一括償却資産)については、その金額的重要性や処理の簡便性を考慮し、①取得年度、②翌年度、③翌々年度の3年間にわたり1/3ずつ簡便的に償却できる方法を選択できます(法人税法施行令133条の2)

 

この方法による場合は、通常年度の途中第1四半期でで購入したものでも第4四半期で購入したものでも、先に書いたように購入額の1/3を費用処理(損金処理)しますので、月割し四半期で区切る概念というものがありません。

四半期や月割で考えてしまう癖

しかし、冒頭書きましたように、会計士業務では、決算を四半期で区切ってチェックしたり会計処理を検討することが多いので、四半期ごとに費用や収益を区切る思考が染み付いてしまい、今回気づいたミスもそれが原因で起きてしまいました。

 

四半期決算にあたり手元で計算した償却額は、四半期単位で月割処理して計算していたため、計算チェック用にシステムで再計算したものと何故か一致しなかったので、もう一度法令をよく確認してみると、法令には月割のことは書いてなく、年度で区切って処理することしか書いておりませんでした。

 

そこで、ようやく、自分自身が月割処理で計算することが当たり前と思いこんでいることに気付かされました。

 

また、通常の固定資産の減価償却は、取得し事業に使い始めた月から決算月までを月割で計算しているため、それと同じように自然と考えてしまったことが、今回の勘違いによるミスの要因かと思われます。

 

何事も思い込みや勘違いには、気をつけるとともに、システム等別の計算方法での再チェックというのは大事だなと改めて思いました。

まとめ

会計では、適正な損益計算のため、費用や収益は何事も月割や四半期で区切って計算するのが当たり前ですが、税務申告にかかる処理では必ずしもそうでないものもあるということが今回の件で改めて認識させられるとともに、「あれ?」と思ったことは、もう一度法令や法律等の基準に立ち返って確認することの大切さを感じました。

【子育て日記】
最近下の子は、注意されたりすることに対してかなり過敏に反応します。ちょっとしたことで、目くじら立てたりと。自意識の目覚めにより自分というものをしっかりと持ちたい現れかなと思ってみてます。

 

兄は、そういうときに横から「どうしたの?」と優しく聞いてくれるので助かります。