経理業務の承継も「事業承継」の一つ
おはようございます。
川越・ふじみ野・三芳・富士見エリアで活動する公認会計士・税理士の榎本です。
2025年問題等と言われています中小企業の経営者の事業承継が昨今注目を集めており、M&A仲介事業者、コンサル、会計事務所、金融機関などと一体となって中小企業の事業者が経営の承継に苦心惨憺されています。
税制等の制度もこれらを後押しするように改正がされ、新聞や各種メディアの情報を見る限りでは、少しずつですがそのあたりは進んでいるように見受けられます。
経理業務の承継と課題
一方、個人的に気になるのは、これらの中小企業を支えるバックオフィス部門の一つである経理の事業承継がしっかりできているかというとそうではないというのが自分の周りを見渡してみて持つ感想です。
そもそも、バックオフィス部門は、会社を成長させていく段階でもどうしも手当てが後回しになってしまっているところが多く、これと同様のことが事業承継等会社の体制を変える際にも起きてしまっているのが現実ではないかと思います。
特に、中小企業でも小規模な会社では、創業者がご主人、奥さんや創業者と同世代の方が経理を支えるといった中で成長した会社が多く、組織化できているところは数少ないのが現実です。
組織化ができていないところでは、親族間若しくはそれに近しい方の中で経営者の承継を行っているところがあるものの、会社を支える経理部門については、依然として先代と同世代の方が支えており、世代交代が進んでいないところが多いようです。業務につていも属人化してしまっており、業務の見える化ができていません。
この状態をそのままにしておくと、万が一のことが起きたときに会社のバックオフィス部門が機能不全に陥り、その影響が本業にまで及ぶ可能性もゼロではありません。
承継にあたってできること
こうしたことの解決策にはいくつかあり、手っ取り早い解決策としては、若い世代の即戦力を連れてくればよいですが、転職市場では中々そういった方を見つけることができません。
またこの方法に頼ってしまいますと、将来的に同じ問題が起きることが予想され根本的な解決にはなりません。
一方、先代から続いてきたやり方が属人化してしまっているものであれば、それらの業務を棚卸し・業務フローや業務内容を見える化することで、業務のマニュアル作成や標準化につなげ、問題解決を図ることもできます。
この方法をとれば、仮に人が代わる際も会社の業務に大きな変化がない限りは、ある程度代替性のある形で業務を回すことができると考えられます。
自分自身、監査法人時代に内部統制監査の導入に伴い、お客様と一緒に、お客様の営業、購買、原価計算、債権管理、経理決算等様々な業務について見える化と標準化をし、監査の目的や監査の進め方を末端の従業員の方にも理解していただくことの経験をできたことで、業務マニュアルの作成対応等でお困りのお客様がいらっしゃったら少しでもお役に立てるのではないかと思っております。
業務マニュアルについては、最初の作成は確かに時間がかかり、通常業務以外の時間がとられてしまい、気が進まないなと思うこともあると思いますが、一度作ってしまえば、その後は修正や変更があった部分をカスタマイズしていくことで、経理業務の事業承継についても、人ではなくマニュアルとして継続して引き継いでいくことができます。
また、仮に退職等によって人がいなくなる場合もマニュアルがあるだけで、業務の引継ぎがスムーズに行えますので今までのように退職による業務継続の心配も減るのではないかと思います。
ちなみに、自分自身も自分の事務所で行う業務のマニュアルを作り、業務の漏れや誤りを減らすようにしていますし、毎月のルーティンについても業務を洗い出すことで効率化を図っております。
まとめ
ただ、注意点としては、このようなマニュアルの作成から引き継ぎ等についても最終的には経営者がその重要性について認識され、時間やお金をある程度かけられるかどうかによります。
あくまで会計士・税理士の関与はサポートする立場以上にはならず、自分自身が当事者として意思決定を行うことはできませんので、そのあたりを経営者の方とコミュニケーションをとりながら外部の専門家としてサポートしていければと考えています。
【子育て日記】
彼岸の前後から急に気温が秋めいてきたせいか、長男が先日発熱で学校を早退しました。
小学校入学以来一度も風邪もひかず毎日通っていたので、ここらで一息つく意味で、翌日も熱は下がりましたがお休み。自分も小学校の頃はよく学校を休んでいたのを考えると、むしろ丈夫だなと。
妹は、少し咳がでますが大きな風邪もひかず毎日元気に保育園に。朝のお別れの時だけしょんぼりしますが。