コントロールできるものは徹底的にコントロールして「お金」を残す
おはようございます。
川越・ふじみ野・富士見・三芳エリアで活動する公認会計士・税理士の榎本です。
気付けば、梅雨入りの時期になりましたが、未だに新型コロナウィルスのパンデミックは世界的に収まっていません。
このウィルスの影響は、日本経済にも例外なく影響が出ました。今回のような予想だにしない事態に一番必要なのは、自由に使える現金を如何に持つことだということを痛感しましたので、そのあたりについて整理してみます。
売上はコントロールが難しい
今回のコロナウィルスによるパンデミックでは、観光業、旅行業、飲食業等を中心に需要が「蒸発」するといった強烈な表現が出るほどの影響が出て、この結果、売上が前年比大幅減ではすまず、一気にゼロとなったところもあります。
こうした激流のような変化の中では、経営者がいかに工夫をしようとも、売上減少を食い止めることが難しいと改めて痛感しますし、地震や豪雨災害などの自然現象に人間が手も足も出ない状況に似ていると改めて感じます。
売上は、事業継続をする上では、お金を生み出す最も重要なファクターですし、売上から得たお金は、経費の支払いや借り入れの返済、税金の支払いにあて、残ったものは、預金等の資産で残していきます。
こうした中で経営者は、長期的に売上計画を立て、数年後の事業の姿を考えながら経営していることを考えますと、個人的には、「売上」はある程度コントロールできるものと考えておりましたが、今回のような状況を見ますと、「売上」は、時に全くコントロールが利かないものとなってしまうものだと考え直させられました。
コントロールできるものをしっかりとコントロールし、お金を大切に
そして、今回のように売上が急減し、あるいはゼロになってしまい、その期間が続けば、通常は事業継続が不可能ですので、こうした予期せぬ事態のために経営者は、毎期、事業活動で残ったお金を流動性のある資産(預金等)として残しておく必要があります。
預金等の現金を少しでも多く残すには、結局のところ、コントロールが難しい売上は、ある程度所与のものと考え、売上から差し引く「経費」をいかに抑えるかということにつきます。
「経費」については、事業継続に絶対必須の固定費である家賃や人件費等最低限固定的にかかるものは、コントロールが難しいですが、それ以外のモノについては、経営者のさじ加減である程度コントロールできます。
経費をコントロールすることで、残る利益を増やすこともでき、その結果として残るお金も増やすことにつながります。
また、経費をコントロールするということは、裏を返せば、支払う税金をコントロールすることにつながりますが、個人的には、税金は、売上同様、コントロールが難しいものと考えておくことがお金を残すことにつながるのではないかと思います。
これは、節税意識を強く持ちすぎ、経費を必要以上に支出した場合、税金は、経費支出前よりも圧縮できますが、結果として残るお金が減ってしまうことにつながります。
例えば、1,000の利益が出た場合に税率30%で考えますと、300の税金になりますが、これを少しでも減らそうと200の追加経費を使いますと、税金は240に減りますが、手元に残るお金は、何もせずに税金を払った場合の700から560に減ってしまいます。
この支出を時間軸で考えた場合、近い将来必要なモノであれば、時間を移動させて前倒しで行ったと考えれますが、必ずしも近い将来必要でないものですと、結果として手元現金を減らす結果になってしまいます。
こうしたことを繰り返すと、残る現金が相対的に少なくなり、今回のような重大事に苦しい思いをすることにつながります。
要するに、何事も節税には、原則としてお金が出ていき、コストを伴うということを忘れてはならず(例外としてそうでない場合がありますがそれはあくまで例外)、過度の節税の積み重ねは、結果的に残るお金を減らしてしまい、今回のような緊急事態に対応するお金が不足することにつながりかねませんので、個人的には、コントロールできる経費を徹底的にコントロールし、事業継続で最重要な現預金を手元に残していくことが、事業を長く続けるうえで大切かと思います。
まとめ
今回のように長期間事業継続が通常の形でできない場合は、売上からのお金ですべてをまかなうことは難しくなります。そうした時は、どうしても自由に使えるお金を使って事業の継続をしていく必要がありますので、少しでも多く手元現預金があるに越したことはありません。
平時の時からこうした有事のことを意識して、少しずつでもいいのでこつこつと手元に自由に使えるお金を残しておくことが改めて長く事業をやっていく上で必要だと思いました。
【子育て日記】
下の子は、比較的穏やかでしたが、最近は2歳児特有のイヤイヤ感を感じることがあります。洋服選び一つとっても納得いかないと着てくれません…
長男は、今月からサッカーの習い事も従来の場所に近いところで行われるようになり、最近会えていなかった同級生の子とも会えるので、気持も上向いているよう。
緊急事態宣言時は、同級生の参加も少なかったため、上級生に交じって知っている子も少ない中自分のプレーも思うようにできず少し気持ちも沈んでいました。それでも、休まず参加していたのはホントに偉いなと感心。コーチの方たちの工夫や気遣いにも助けられたと感じております。