ビジネスの業界は違えど会計では共通する点もある
おはようございます。
川越・ふじみ野・三芳・富士見エリアで活動する公認会計士・税理士の榎本です。
お客様の事業や業種によって商慣習や考え方も違うので、会計や税務の処理はそれに応じて変わるものですが、一方で一件異なる業界であってもときには共通する処理や考え方というものあります。
IT業界と建設業界で見つけた共通点
例えば、最近あった例ですと、ソフトウェア等を扱うIT業界と建設業のお客様の会計処理で発見した共通点。
具体的には、原価計算の処理で個別原価計算をいずれも扱うことがあるという点です。
原価計算は、もともとは、製造業を中心に、個々の製品や成果物の単価を正確に把握し、それを経営を行う際の意思決定に役立てることを目的として発展してきました。近年では、第3次産業のようなサービス業の世界においてもこの考え方が浸透してきたこともあり、ITなどの業界でも原価計算によってプロダクトの原価を把握しようと言う動きがあります。
話を戻しまして、この原価計算の中の一つにある個別原価計算という方法は、数多くの商品や製品を大量に作る際に用いられる総合原価計算とは対極のもので、個々にお客様にカスタマイズしたものを提供する事業(受注型産業)で扱う会計処理の一つです。
今回発見した共通点において、IT業の会社は、主に扱うものが無形、一方建設業は有形といった形で提供するものに違いがありますが、顧客からのニーズに応じて設計やデザインをしてそれらを一つずつ作り上げるという点では共通しており、業界や扱うものが異なっても会計の世界では共通の処理や考え方がある点に面白みをかんじました。
見積原価という考え方
また、もう少し細かい話をしますと、今回発見した共通点は、個別原価計算という会計処理だけではなく、案件が終わったあとにクロージングにかかるコストを完成時点で見積もる必要がある、いわゆる完成時見積原価の発生を完成時に考慮する必要があるという点も共通していました。
見積原価と聞くと馴染みのない方にはしっくりこないかもしれませんが、個別原価計算を扱う受注型のビジネスモデルの世界では、製品やサービスを提供するプロジェクトが完了したあとに、プロジェクトを締める際に追加でコストが発生することがあり、ビジネス的にはよくある話ですし、以前担当したお客様でよく聞いた話なので個人的には話を聞いていてすごくしっくり来ました。
ただ、こうしたことも業界の特徴やビジネスの流れをわかっていないと気づかないこともあり、会計や税務をアドバイスする際にも重要な視点になりますので、今後も異なるビジネスのお客様の会計や税務を第3者の視点で見る際には、会計や税務での共通点や応用できる点がないかといったことに注意していければと思います。
まとめ
先に書いたような視点は、一朝一夕では生まれず、日々の積み重ねやお客様とのコミュニケーションの中で気づいたり発見して行くものなので、そのあたりも今後お仕事をしていく中で継続して意識をしていく必要があると改めて学びました。
【子育て日記】
娘の最近のくちぐせ。あーお腹いっぺえ。3歳ですが、貫禄十分。兄もそれにつられてお腹いっぺぇと。