税理士の果たすべき役割って何だろう!?

おはようございます。

 

川越・ふじみ野・富士見・三芳エリアで活動する公認会計士・税理士の榎本です。

 

公認会計士・税理士等の専門家やお客様と接していると改めてお客様にとっての専門家とは何だろうと思うことがあります。

 

今日はそのあたりを掘り下げてみます。

税理士と税理士法

税理士について法律はどういっているかというと、税理士法第1条に次のように書かれています。

 

税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそつて、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。

 

この一文を読む限りポイントは、3つ。

 

①独立公正な立場の保持、②納税者の信頼にこたえる、③法令順守によって納税に関する制度や義務の適正化の3点。

 

この3点、それぞれ大事なところではありますが、個人的には②が一番大事にすべきことではないかと考えます。

 

その理由としては、税理士は、専門家であると同時に一人の事業者であり、以前記事にも書いたように、サービス業としての性格も持ち合わせています。

 

それゆえ、自分自身の存在価値は、お客様あってのモノであり、制度や法令を遵守することが使命の国家や行政の官吏ではないので、お客様との信頼関係構築が必須であることは言うまでもありません。

 

そのうえで、①や③は、②を達成したうえで、遵守する位置づけかなと個人的には思っています。

 

サービス業は、目に見える有形なモノを提供する場合もあれば、目に見えない無形のモノを提供することもありますが、いずれにしてもその背景には、お客様との信頼関係があって成り立つという点に違いはありません。

 

税理士としてのお仕事の一つである税務申告業務においては、お客様との情報交換やコミュニケーションを通じて、税務に関しての情報を適切に把握していく必要があります。

 

その意味では、お客様との信頼関係を築くことは、適時・適切な情報把握ができることにつながり、最終的な成果物の質にも大きく影響があると考えられます。

 

ですので、お客様との信頼関係の構築は、先に述べた3点の中でも最も重要視すべき事項かと思っています。

実際のところ(の役割)

では、翻って実際の現場に目を向けた場合どうでしょうか。

 

そもそも、税理士へのお客様からの要望や期待は、税理士法に記載されている業務の範疇には収まらないことも時折あると感じます。

 

ちょっと話はそれますが、公認会計士を取り巻く環境において、「エクスペクテーションギャップ」という言葉があります。

 

これは、投資家が期待する会計監査制度の役割と実際に公認会計士が担う会計監査等の結果に生じるギャップについて言われることです。

 

会計監査を受けていれば会計上の不正や粉飾を防げるだろうと一般的には思われていますが、実際は、そういった不祥事が時折発生し、社会が期待することと会計監査の間にはどうしても差が生じてしまっています。

 

また、この言葉は、会計監査の限界を象徴する言葉であり、現実的には、監査は100%完璧なものではなく、経営者の不正が発生した場合は、会計監査では防げませんが、社会の目は、そういったことを配慮はしてくれません。

 

さて、税理士業務に話を戻しますと、税理士業界においても納税者の期待することと実際の税理士の能力や経験・知識で似たようなことが時折起きます。

 

例えば、税理士なら、どんな税制も理解していて、納税者が期待する質問に答えてくれたり、人事や労務、社会保険など税制が関連する知識もあるだろうといったお客様からの期待は、時折、税理士自身が考えているよりも大きくなってしまうことがあります。

 

自分は、あくまで税務の専門家だからその他のことについてはちょっとということで、そのあたりを線引きする方もいらっしゃるでしょうが、一方で先ほど書いたように税理士の仕事は、サービス業という性質も含んでいると考えますと、無下にお断りすることもどうかと思います。

 

個人的には、自分自身で対応可能な範囲で知識や経験を蓄えておき、いざお客様からのご依頼があった場合に、少しでも対応若しくは質問に応答し、難しい部分を別の専門家に依頼するという流れを作れることが理想的ではないかと思います。

 

何も知らないでいることは、お客様自身への影響もそうですが、自分自身の成長にも関わりますので、自分自身で消化できる程度の知識や経験は持っておくようにしています。

 

自分自身のことでいいますと、会計監査を通じて得られた経営者の方の視点や、税務と関連性の強い、社会保険周りのことについては、税理士業務を通じて、プラスαのサービスとして提供できるように自己研鑽に励んでおります。

まとめ

税理士に依頼されるお客様には、規模や業種、業態等様々であり、ご質問したい内容や疑問に思う点も様々です。

 

税理士はそういった疑問点について自分がこたえられる範囲で対応できるように研鑽していくことが必要と思われます。

【子育て日記】
下の子がトイレでオシッコができました。保育園の連絡帳に書いてあり、ちょっとビックリ。お家でも練習を少しずつさせようかと思案中。

 

長男は、もう半年から1年近くたってからそのようなことをしていた記憶がありますが、懐かしいなぁと当時を振り返りました。