自動車業界で話題の「CASE」を税理士業界にあてはめて考えてみた

おはようございます。
川越・ふじみ野エリアで活動する
公認会計士・税理士の榎本です。
最近よく新聞で目にする
「CASE」という言葉。

 

自動車業界で話題になっている
以下の頭文字からとったものです。

 

C:Connected=つながる
A:Autonomous=自動(運転)化
S:Shared=シェアサービス化
E:Electric=電動化

 

この用語は、
今後、自動車業界が中長期的な
戦略立案をする上で外せない
考え方であるといわれています。

 

未だに体質がアンシャンレジームな
税理士業界においてこの考え方を
あてはめ、今後の税理士業界について
考察してみました。

CASEのC(Connected=つながる)について

これは、車がインターネットに
常時接続される(IOT)ことによって
車にかかるビッグデータを
蓄積・分析することで
新たな価値の創造に
つなげるというものです。

 

税理士業務にこれをあてはめますと、
SNSやネットを中心とした
人と人とのつながりが
当てはまるのではないでしょうか。

 

今までは人づての紹介が
中心であったこの業界ですが、
徐々にネットを通じて、
お客様の集客をされたり、
ご要望を吸い上げてセミナーに生かすなど、
新たなビジネスモデルとしての
価値創造ができています。

 

また、ネット上で知り合った縁から
ビジネスにつながったり、
ネットを活用して
税理士同士のネットワークが
できてきているというのも一つの
価値だと思います。

CASEのA(Autonomous=自動(運転)化)について

これは、読んで字のごとく
自動運転技術です。
自動運転については、
レベルが1~5まで
設定されており、最終的には
レベル5の完全自動運転(無人運転)が
目標ですが、現状それが達成している
国や自動車メーカーはありません。
これには法の整備、
インフラの整備、技術そのものが
まだ不足しています。

 

では、税理士業界については
どうでしょうか。
自動運転ではなく、自動処理という
視点で考えてみます。

 

税理士業界で一番人手を割くと
考えられるのが、「記帳代行」です。
ひと昔前に比べパソコンを使って
処理できるようになったとはいえ、
入力業務そのものは、どうしても
人の力によらざるを得ません。

 

ただ、そんな中でも
ネットバンキングを使った口座の
自動連携、スマフォスキャンを使った
領収書の自動取込と自動仕訳など
いくつか自動化の技術が導入
されてきました。

 

これにより、以前はひたすら
入力していた業務についても、
ある程度スマートに処理できるように
なったことで、お客様側と
税理士事務所側の負担も少しは
緩和しました。

 

ただ、それでもまだ、
会計ソフトから税務申告ソフトへの
転記や概要書の作成等では
手入力が必要(連動ができるソフトは
別として)です。

 

今後は、RPAと呼ばれる
事務業務のオートメーション化が
本格的に導入されていけば
もっと税理士業界の事務業務が
緩和され、経営上の相談や
事業計画の相談等、
より人の判断による業務に注力できるように
なると考えます。

 

これにより、お客様側への価値の提供も
併せて高められるのではないかと考えます。

CASEのS(Shared=シェア)について

これは、いままでは車は個々に
「所有」することに重きが
置かれていましたが、
これからは「利用」に
重きがおかれます。

 

ライドシェアやカーシェア等
多様な利用形態が
これからは主流になることが
考えられています。

 

では、税理士業界では
どうでしょうか。
税理士業務においては、
税理士法との関係もあるので、
事務所をまたいで業務をシェアするというのは
なかなか難しいかもしれませんが、
お客様との間で情報をシェアするということで
あれば可能ではないでしょうか。
例えば、クラウド会計や
クラウドサーバーの共有などが
一例と考えられます。

 

従来の会計事務所ですと、
お客様から預かった資料をデータとして
入力しても、
端末がスタンドアローンであったり、
説明資料を事務所のサーバーに
保存している等の場合、
お客様が適時にそのあたりの
情報が欲しくても
いちいち担当者を経由しなければ
手に入らないといった問題があります。
実際に、以前勤務していた事務所でも
事務所のサーバーにお客様の情報を
保管しているため、タイムリーにお客様の
依頼にお答えできないといった問題が
ありました。

 

現在では、Googleやマイクロソフト、
アマゾン等のITの巨人が提供する
クラウドを利用したり、
FreeeやMoneyFoward等の
サービスを使えば、
左記のような問題は多少なりとも
解消されると考えられます。

 

自分の事務所でもクラウド会計を
使っていますので、基本的には
いつでもどこでもお客様への
情報提供ができるようにしています。

CASEのE(Electric=電動化)について

これは、内燃機関(エンジン)が
中心のガソリン車から
EVなどの電気自動車を中心としたクリーンな
車へのシフトを意味します。
また、EV化により自動車の構造そのものも
エンジン自動車よりも簡素化され、
異業種の参入が容易になることが想定されます。

 

税理士業界について考えてみますと、
電動化ではなく電子化という視点で
言えると思います。
E-mailやビジネスチャット、
Line等を使ったお客様との
やり取りが少しずつでは、
進んでいるかと思います。

 

ただ、未だに税理士事務所では、
FAXを使っての連絡が
主流のところが多いと思います。
自分の勤めていたところもお客様が
比較的年配の方が多かったので、
必然的にそのような形をとらざるを
えませんでした。

 

今後は、電動化ではないですが、
通信手段の電子化がより
進んでいくことを期待します。
少なくとも自分の事務所では、
FAXは使っていません。

まとめ

今回、世界で大きな変化をもたらしている
自動車業界のCASE問題について
税理士業界ではどうかという視点で
考えてみました。
税理士業界としても自動車業界のように
大きな変革の波が来ていますので、
自分自身その流れに乗り遅れない
ようにしていきたいと思います。
また、今後の業務の方向性を
考える上ではよい思考の整理に
なったと思いますので、
これを忘れず、今後もお客様との
仕事のやり取りについて
応用していければと
思いました。

【子育て日記】
長男は、結局体調戻らず
昨日の夕涼み会は欠席。
次のお泊り保育には、
なんとしても参加できるように
体調管理に万全を期すことを
誓っていました。
長女は、最近しっかり立つことが
できるようになったので、
湯舟でも大丈夫かとちょっと
目を離したら、滑って溺れそうに…
冷や汗ものでした(´;ω;`)