空調設備の耐用年数について

おはようございます。

 

川越・ふじみ野・富士見・三芳エリアで活動する公認会計士・税理士の榎本です。

 

会計税務業務の中で奥が深いなと思っているものの一つに償却資産にかかる処理があります。論点も広範囲にわたりそれだけで本も何冊か出ているくらいです。

 

今回は、空調設備の耐用年数に関しての処理をご紹介します。

空調設備の固定資産区分について

以前、会計帳簿のチェックをしていたら、空調設備更新工事という資料が目に留まりました。

 

空調設備というと普通想像するのが冷房や暖房機器かと思いますが、耐用年数を何年にしようかと思案思案していたところ最初に浮かんだのが器具備品としての処理。

 

冷房器具や暖房器具というくらいなので、器具備品だろうと考え、耐用年数省令で耐用年数について検索機能を使い検索していたら、建物附属設備の区分でも冷房、暖房という区分が出てきました。

 

あれ?っと最初は思いましたが、業務用の大型のモノであればその可能性もあるかと。

 

確かに、建物と一体となる形で組み込まれた大型の空調設備であれば、建物附属設備ということも考えられます。

 

耐用年数については、建物附属設備ですと13年若しくは15年、器具備品ですと6年とかなりの違いがあります。そこで、耐用年数に関して税務署の規範となる「耐用年数の適用等に関する取扱通達」を見てみるとそこには、とりあえず線引となる目安が書かれていました。

器具備品となる空調設備と建物附属設備となる空調設備の線引き

耐用年数の適用等に関する取扱通達では、2-2-4(建物附属設備)と2-7-4(器具備品)の区分の2か所に記載があります。

 

この2か所を読む限り絶対的な基準というものはありませんが、線引きするとしたら、「 ダクトを通じて相当広範囲にわたって」というあたりから、建物との不可分性、一体性等を見ていくことが重要かと思われます。

 

また、明確な基準がないときは、建物附属設備というものの位置づけについて考えるととりあえずの線引きラインが見えてくるかもしれません。

 

建物附属設備とは、「建物と一体となって建物の効用を高める」という形で償却資産税等の分野では定義されていますので、建物と一体といえるレベルなのであれば建物附属設備の区分で処理し、そうではなく、取り外し可能、可搬性があるなどの点がハッキリしていれば器具備品という整理でよいのではないかと考えます。

まとめ

固定資産については、取得価額の範囲、耐用年数の設定、勘定科目の判断、償却方法、修繕か資産か、会計と税務の違い、減損会計等周辺の基準や決まり事が多岐にわたりますので、奥が深いなといつも考えさせられます。

 

今回は、空調設備の更新から派生しましたが、切り口はいくらでもありますので、また別の事例にあたった際はご紹介できればと。

 

特に、工場をお持ちの会社ですとそのあたりは論点の宝庫ですので、自分自身メーカーを長い間担当していたことからも固定資産周りは好きな方なので今後も何らかの形でご紹介できればと思います。

【子育て日記】
ここ数日は、クリスマスのサンタさんがいつ来るかソワソワする長男。

 

我が家では、一緒に欲しいものを買ってから、サンタさんが宅配感覚で配っていると説明しているので、メルヘン感は全然ありませんが、子供たちが喜べばそれでもいいかと。

 

妹の方はまだよくわかっていませんが、目下取り合いになっているアンパンマンブロックがサンタさんからもう一つくるので、取り合いにならず思う存分遊べそうです。