会社を作ったら役員報酬を決定しよう

おはようございます。
川越・ふじみ野・富士見・三芳エリアで活動する公認会計士・税理士の榎本です。

 

会社を設立しますと、事業主の方は基本社長になります。そうしますと、必然とご自分の給料(役員報酬)を決めなければなりません。自分も昨年会社設立をし、給料を決め、今年は何とか利益が出たので、賞与もいただきました。

 

今日は、この役員報酬の決定にあたってのスケジュール感と決める際のポイントについて整理してみます。

役員報酬はいつまでに決定すればよいか

会社を設立した方は、既に体験済かと思われますが、設立直後は何かとバタバタとしているうちにあっという間に時間は過ぎてしまいます。

 

事業に関連する届け出であったり、登記関係の書類の整備、社会保険への加入など届出関係も個人事業主時代より多くなります。

 

税務関係の届け出も例外ではありません。

 

税務署、都道府県、市区町村と各所へ届出が必要なモノもあれば、税務署だけでよいものもあったり、期限を過ぎると大きなマイナスとなるものもあるなどなど、中々気が休まりません。

 

そんな中でもご自身お給料を決めないと会社から給与の支給をできないので、役員報酬の決定も大事な決め事の一つですが、忙しいからといっていつまでも決めずにいていいかというとそうでもありません。

 

出はいつまでに決めるのがよいか。

 

設立初年度でない会社の場合は、決算後3か月以内に開かれる株主総会で決定するというように税務上の要請がありますので、通常は設立初年度の会社もこの考え方に倣うことになります。

 

すなわち、設立日(登記簿に記載してあります)から3か月以内に株主総会を開催し、その中で役員の報酬を決定し、その決定内容を株主総会の議事録として残すことになります。

 

株主総会自体は、社長が一人で株主一人であれば、書類上で形式的に開催したことにすれば、ことは足りますが、大事なのは開催日が設立から3か月以内の日付となるようにし、時系列に不具合が生じないようにすることです。

 

そして、その議事録の中でいつから支給するかを明示し、その日から基本的には毎月定額で支払っていくことになります。

役員報酬の金額はいくらが妥当か

役員報酬の決定時期については、先に記載したスケジュール感で進めることになりますが、お客様から聞かれることの一つに金額についてはいくらにすればよいかということがあります。

 

これについては、税務上は、原則、いくらでないといけないということがありませんので、自分は社長ご自身で決めていただくようにお話しています(例外として著しく高額の場合はペナルティがありますが)。

 

一つの目安を示すとすれば、ご自身が前職の会社でいただいていた給与を目安(この金額が生活の軸となっていることが多いので)とすることをお伝えしています。

 

また、法人成り(直前が個人事業主であったかた)の方の場合は、直近数か月乃至1年間でどの程度事業主として生活費をとっていたかを集計し、そこから税金や社会保険料を加味して計算すると目安となる金額が見えてきます。

 

なお、役員報酬の金額に関しての注意点としては、一度決めてしまうと原則1年間は、変えられなという点です。

 

ですので、当初慎重になりすぎて低く設定してしまうと、途中で少ないなと思っても翌年度までは変えられないので、注意が必要です。実際、報酬が少ない場合は、お金を会社から引き出すことはできますが、役員報酬として決めた額を超える部分については、経理上は会社から役員への貸付金という形をとることになりますので、経費にはならず、税金を下げる効果もありません。

 

繰り返しにはなりますが、現在の制度では、役員報酬が毎月定額にしなければいけないという決まりがあるため、その点を意識して当初の金額を決めていく必要があります。

まとめ

役員報酬は、現行の税制においては会社がしっかりとした計画のもと報酬も取るべきというスタンスである以上、かなりシステマティックに金額やスケジュールが決められていますので、事業主の方もこの辺りを意識しておく必要があります。

 

これらを見落とすと、あとで思わぬ課税をされることがありますので、一度整理はしておかれることがよいかと思います。

【子育て日記】
ここ数日朝方にエアコンをタイマー設定するようにしたら、子供たちの寝起きがややよくなりました。

 

誰しも朝は、寒いと起きるのに億劫ですから