小規模事業者の節税は、まずはセーフティ共済
おはようございます。
川越・ふじみ野エリアで活動する公認会計士・税理士の榎本です。
今日は、決算が近づき想定以上に利益が出そうなときに比較的使いやすい節税方法について紹介します。
まずはセーフティ共済
会社の業績がよく利益が出ることは、事業者としてうれしいことです。ただ、どうしても避けられないのが、税金の増加。
法人税は、税率が基本的に一率ですが(中小企業者の特例を除き)、所得税であれば、累進課税のため、利益の増加とともにどうしても増えてしまいます。
そんな時、手軽に行える行える節税があると助かります。今日は、小規模事業者におすすめの節税をご紹介いたします。
セーフティー共済の概要
小規模事業者が、手軽に加入できて、使い勝手が良いのが、経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)を使ったもの。
細かな手続きなどは、上記のリンク先をご覧いただければと思います。各種提携の金融機関が窓口となっています。
この制度は、簡単に言いますと得意先が法的整理、倒産等の状況に陥り、事業主の方の債権回収が滞り、事業主の方の資金繰りが悪化してしまうことを防止する趣旨の制度です。
主なポイントは、以下の通り。
- 無担保・無保証人で、掛金の10倍まで借入れ可能
- 倒産後すぐの借入
- 掛け金の税制優遇で高い節税効果
- 解約金が受け取れる
以上のように、ポイントが4つ並んでいますが、この制度には、大きく分けて2つの側面があります。
1つは、有事の場合のスムーズな借入。
これは、有事にスムーズな借入を行い、債権回収不能による資金繰りを一時的に防止してくれます。
これは、有事にスムーズな借入を行い、債権回収不能による資金繰りを一時的に防止してくれます。
もう1つは、平時における節税と機動的な資金調達。
平時は、3、4にあるように掛け金を有効に使い、節税機能を効果的に使えることや一定期間過ぎた場合には、解約金も100%返ってくるので、それを使った機動的な資金調達も可能です。
ただ、後述しましたが、解約金は全額課税の対象になりますので、税金を考慮したうえでの資金調達が必要になります。(今回は、節税のお話がメインなので、借入にかかる部分の詳細はここでは割愛いたします)
掛け金について
節税効果が高い当制度ですが、掛け金についても非常に使いやすく設計されています。一口5,000円/月から200,000円/月までお客様の資金都合に合わせて変えられます。
また、予め手続きを踏めば前納もできますので、資金的に余裕がある場合は、毎月のお支払いと決算月に翌1年分を合わせた形で支払えば、最大23か月分の経費を1事業年度に取り込むことが可能となり、かなり大きな規模でタックスメリットをとることができます。
ただし、掛け金の総額が800万円に達すると、積み立てはそれ以上できなくなるという上限が設けられています。
解約手当金について
上記に書いた節税目的で掛けていたものの、一時的に資金が不足した場合は、任意で解約もでき、解約に伴う返戻金の率が高いこともこの制度の特徴です。
掛け金納付月数 | 返戻率 |
1-11か月 | 0% |
12-23か月 | 80% |
24-29か月 | 85% |
30-35か月 | 90% |
36-39か月 | 95% |
40か月以上 | 100% |
掛け金納付が1年を超えれば、80%以上が戻り、3年強経過すれば100%の返戻が約束されていますので、市中の保険等と比べるとかなりお得な設計です。
また、これだけの返戻率にもかかわらず掛け金全額が損金で落とせる点も魅力です。
ただ、損金で落としていますので、当然解約時の返戻金は、100%課税されるのは、やむを得ません。
ですので、解約のタイミングは会社の利益状況をにらみながらなのものになります。
まとめ
ここまで、セーフティ共済について簡単に紹介してきましたが、当制度は、自分が以前勤務していた事務所でも多くのお客様に広くご利用いただいおりました。
積み立て上限があるものの、多くの小規模事業者の方にとっては、損金性の高さ、機動的に掛け金を変えられること、解約金の返戻率の高さ等様々な点で、利用しやすい設計になっています。
民間の保険ですと、掛け金の上限がなかったり、有事の際に大きな保険金がもらえるなどのメリットがありますが、一度加入してしまうと、返戻金のピークに解約しないと返戻率が下がったり、損金にできる比率が低かったり、資金的に苦しくなっても掛け金を変えにくかったりと、不便な点があります。
あくまで、節税が第一義的な目的でしたら、小規模事業者の方は、まずはこちらに加入されるのがよいかと個人的には思います。
【子育て日記】
段々とひとりで立てるように
なってきた下の子。
長男は、それをそばで
サポートしてあげて
いるので、
下の子も嬉しそうです☻