利益、お金、税金の関係を知って節税しよう

おはようございます。
川越・ふじみ野・富士見・三芳エリアで活動する公認会計士・税理士の榎本です。

 

「利益が増えた!」、「資金繰りがよくなった!」という言葉を聞くと嬉しくなりますし、喜ばしいことですが、「税金が沢山減らせた!」というのは必ずしも喜ばしいものではありません。そのあたりについて少し整理してみます。

利益がが増えることや資金繰りよくなることとお金

まず、利益の増加は、売上増加の結果であり(経費削減の場合もあるが)、会社が成長していることを意味していますので金融機関等からみてもよい印象です。

 

そして、利益が増えると資産が増え、経営の要諦であるお金の増加につながります。

 

また、資金繰りの改善についても、同様のことが言え、負債や利息が減り、最終的に資産が増え、お金の増加につながります。

 

お金は、中小企業経営の要諦でもありますので、その増加は会社の財務基盤をしっかりとさせる効果をもたらしますし、金融機関からの借入がしやすくなるなどの効果ももたらします。

 

但し、利益が増えれば、当然利益(所得)をもとにした税金の支払いも増加しますが、納税預金等の資金準備をしっかりとしておけば、通常の経営をしている限り必ずお金が手元に残るので、税金を支払っても対前年比でお金が増えます。

 

通常の経営とここで書いたのは、売上拡大を急いだ無理な投資や過剰融資等、会社の財務基盤を痛めるようなことをすれば、お金がうまく回らなくなるので、注意が必要です。

 

また、売上や利益の拡大の背景には、従業員の方の頑張りが欠かせませんので、働きやすい職場環境と表裏一体で考えていくことも必要かなと思います。

 

売上、利益が拡大し、お金が会社に残っても、そこで働く人たちの環境がないがしろにされては本末転倒ですので。

税金が減ることとお金

一方、利益が増えると税金も増えることが通常ですので、税金にナーバスになる方も一定数は出てきます。

 

そうした方にとっては、増えた税金を如何に減らそうかという思考がどうしても働き、税金を減らすことが主目的になってしまうことも巷ではよく聞く話です。

 

確かに、税金を当初考えていたよりも減らせればうれしいと思う方が多いと思いますが、ここで大事なことを忘れてはなりません。

 

税金が減るということは、利益(所得)が減る、すなわち経費が増えることにほかなりません。

 

そして、経費が増えるということは、お金の支出を通常は伴いますので、必ずお金が減ります。

 

先ほども書いたように、お金は中小企業経営にとって欠かせないものなので、そのお金を減らしてまでも税金を減らすというのは、経営判断としては本末転倒かと個人的には思います。

 

つまり、会社として必要な保険を掛けたり、来期以降必要な消耗品などを先行して買ったり、通常必要となる修繕を少し前倒して行ったりと、元々必要なモノへの支出で時期を見直して経費を作るといった戦略であれば、特に会社の資金繰りや利益体質に大きな影響はありません。

 

しかし、不要な物品の購入、保険などの加入で必要以上の支出をしてまで経費を捻出し、税金を減らすことは決して会社にとっては良いとは言えません。

 

税金というものだけにフォーカスすると結果として税金を減らすことはできますが、この必要以上の支出をすることで、単に税金を納めるよりもお金が減ってしまいます。

 

例えば、以下の簡単な例で見てみます。

 

①:利益100 税率30%の場合
税金の支出は、100×30%=30
残るお金は、100-30=70

 

②:利益100 追加経費20 税率30%
税金の支出は、(100-20)×30%=24
残るお金は、100-20-24=56

 

①,②の結果を見ますと、先述したことがどういうことかわかるかと思います。

 

確かに②では、①に比べ税金が6減りましたが、残るお金については、14も減ってしまい、特段不要な支出をせずに税金を納めた①よりもお金が残らない結果になります。

 

20の支出が、次年度以降必要なモノであり、それを前倒ししたのであれば、長い目で見れば特に影響が出ません。時期支出する20を前倒したかという説明ができるので。

 

しかし、20の支出が会社にとって本当に必要なモノというより税金を減らすことが目的だったとすると、話は違ってきます。

 

このようなことを毎期継続していくと、会社の財務基盤を徐々に痛める原因にもなりますし、会社の成長にも少なからず影響を与えますので、注意が必要です。

まとめ

利益が増えることは、税金の支払い増加につながりますが、それ以前にお金が増えるということを忘れずに、税金の削減を検討することが必要かなといつも思っております。

 

自分は、お客様に税金をどうしたら減らせるかと聞かれたときは、税金削減には、必ず支出が伴い、お金の流出があることを忘れてはならないとお伝えし、その中でお客様に納得のいく対策が提案できるように考えています。

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週末長男は、保育園のお友達とその家族の集まりに行きとても楽しかったようです。はしゃぎ過ぎてうどんをこぼしてしまったようですが…

 

下の子も行きたかったのですが、先週熱が上がったり下がったりでしたので、大事をとって自分と2人お留守番。夕飯も二人でCookDoにお世話になりました。簡単だけどホントにうまい!