売上の変動を抑えるには!?~多角化によるリスク分散~
多角化してポートフォリオを組む
今日は、仕事を休みにして、娘と近所を散歩しました。
その際に春を感じる写真が撮れたので一枚。
さて、よく金融や投資の記事でポートフォリオを組み、多角化して
リスク分散をしましょうという内容のものを見ます。
これは、一つの金融商品にだけ投資してしまうと、
成功した時のもうけは大きいが失敗した時の損失もその分大きくなってしまうので、
株式だけではなく、債券(国債や社債)、預金、不動産などに
分散させるという投資の方法です。
ポートフォリオを組むリスク管理の考え方は、
卵とかごの話によく例えられます。
例えば、卵を10個買った際に一つのかごに入れてしまうと、
そのかごを落とした時にすべての卵が割れてしまいますが、
いくつかのかごに分けることにより、そのリスクを抑えられます。
自分もひとり仕事をしている中で、自分の仕事について
ポートフォリオを組んで売上の増減リスクを少しでも
減らせるようにと考えております。
今回は、仕事を一つに集中する場合と分散した場合の
良い点や問題点について考えてみます。
ポートフォリオを組まず、ひとつの仕事に集中することのメリット・デメリット
まず、一つの仕事に集中する場合のメリットは、
一つの仕事・事業に多くの時間をさき、
その事業に関しての研究や投資ができるので、
結果として、その仕事や事業の
知識や経験についてより深いものを得られることができ、
他の会社や他の方との差別化を図ることができます。
例えば、
・日本酒専門店
・相続税に特化した税理士事務所
・記帳代行専門の事務所
・繊維専門商社
・軽自動車専業の自動車メーカー
・医学部受験に強い予備校 等
このように、○○に強い、××に特化した、▲▲専門等の看板を掲げ
一つの分野に集中して事業を行っているところも世の中にはあり、
その中で成功をおさめられている方も多いので、必ずしも
一つのことに集中することが悪いわけではないと思います。
ただ、弱点・デメリットという点で考えた場合、
その業種・事業の需要が細ったり、将来性が薄れたため、その市場がなくなってしまったときは、
会社の屋台骨に大きく影響してしまうという点でリスクはあるかと。
有名な事例を挙げると、アメリカのイーストマンコダック(日本ではコダックブランドで知られています)の
倒産の事例も一つの分野に集中しすぎた場合のデメリットが一要因かと個人的には思います。
(それ以外にも、倒産の要因はいくつかあるでしょうが。)
コダックはかつて、世界最大の写真フィルムメーカーであり、デジタルカメラが出てくるまでは
皆さんも使ったことがあるカラー写真フィルムを世界中で販売していた会社です。
世界で初めてカラーフィルムを出したのもこの会社です。
しかし、2000年代以降デジタルカメラが主流となり、コダックは
カラー写真フィルムでの成功体験から抜け出せず、事業の選択と集中を誤った結果、
2012年に倒産に至りました。
どんなに大きな会社でも、一つの事業が市場から受け入れられなくなったり、
その事業が他の新しい製品などによって、縮小してしまった場合は、事業の継続が
難しくなるということをコダックの事例からは学べるのではないでしょうか。
多角化し、ポートフォリオを組むメリット・デメリット
では、逆にいくつかの売上の柱を持った場合は、どうでしょうか。
例えば、税理士業事務所の仕事一つとっても、
税務申告業務だけではなく、関連のビジネス(例えば給与計算の受託や、
記帳代行業務の受託等)、専門性の高い税務(国際税務や組織再編)、
コンサルティング業等を行っている事務所の場合は、申告業務のみを
行っている税理士事務所より売上の変動リスクを減らせるでしょう。
また、市場が求めている需要への対応の幅も広がり、結果として
ビジネスチャンスが増える可能性は高まります。
どっちの選択が正しくて、どっちの選択が間違っているかという問いに
正解はないかと思います。
恐らくその判断をする時点では、大変難しく、時間がたって振り返って初めて
成否の判断をすることになると思いますので。
個人的には、一つのことよりも複数のことを売上の柱とすることの方が
視野や知見が広がり良いかと思います。
視野や知見を広げるためのインプット(勉強)も必要となるので、
必然的にセミナーや研修会への出席も増え、そこで新しいビジネスの出会いが
あるかもしれませんし。
一方、デメリットや弱点という点で考えると、多角化するため、どうしても
専業の方に比べるとインプットの時間も相対的に少なくなるので、
深さという点で勝つことは難しいかもしれません。
ただ、幅という点では間口も広く持っていますので、その点で競争力はあると思います。
いずれにしても、自分自身が納得いく形を模索しながら、専業か多角化かの
方向性を決めていければよいのではないでしょうか。