一時所得と雑所得を整理する際のキーワード
榎本幹郎
おはようございます。川越・ふじみ野エリアで活動する公認会計士・税理士の榎本です。
昨日は、一粒万倍日（縁起のいい日）だったので、宝くじを購入。いつも当たらないのですが、買わないと当たらないですし、8月の発表までは誰しもに可能性があるので、その可能性の中にいる自分が当たった時のことを考え何に使おうかと楽しんでいます。
ところで、宝くじが当たると所得税はかからないといわれていますが、これは当せん金付証票法13条（こんな法律があるんだと初めて知りました）に明記されているためですが、その他の懸賞金などの偶然性のある金品については、基本的に一時所得がかかります。
今日は、時折判断に悩み、説明の際に隔靴掻痒の感がいつも否めない、一時所得と雑所得について整理してみます。
所得には10種類の所得がある
まず、一時所得と雑所得の整理の前に「所得」には、以下の10種類の所得があるということを簡単に押さえておきます。
- 給与所得…給料や賞与など会社などから労働の対価としていただく所得
- 事業所得…小売業、卸売業、製造業、農業、漁業、サービス業などの「事業」から生じる所得
- 不動産所得…不動産（土地、土地の上の権利（借地権等）、家屋、船舶等）を貸し付けることによって生じる所得
- 配当所得…株式や投資信託等の分配金から生じる所得
- 利子所得…預貯金や公社債の利子から生じる所得
- 山林所得…山林を伐採し、立木などを譲渡することで生じる所得（山林取得から5年以上のモノに限る）
- 譲渡所得…土地、建物、ゴルフ会員権、株式等の資産を譲渡することにより生じる所得（棚卸資産等は除く）
- 退職所得…退職により勤務先から受け取る退職手当など
- 一時所得… 営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外のものであって、労務その他の役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得
- 雑所得…上記9つのいずれにも該当しない所得
以上ざっとですが日本における所得税法における所得を列挙してみましたが、上から8つまでの所得は、何となく言葉としてイメージがしやすく説明としてもわかりやすいですが、下の２つ「一時所得」と「雑所得」については、明らかに他のものと表現がことなり、？？？となってしまいます。
個人的には、いつも困ったときに次のように整理して考え、そのうえで例示などと比較しどうなのかと考えます。ただ、その時には理解するのですが、時がたつとうやむやになってしまうんですよね…
一時所得と雑所得
上記8つの所得に該当しない場合は、まず先に、一時所得かどうかあてはめて考える。
その際にキーワードとして押さえておくのは、①営利目的として継続的に行っているかどうか②労務その他の役務の対価若しくは資産の譲渡による対価としての性質を有しているかどうか。
もう少し砕けた表現ですと、①はお金を儲ける目的をもって続けているものなのかどうか、②は何かしてあげた代わりに見返りとしてお金をもらったのかどうか。
一時所得はこの2つのいずれにも該当しない場合ということなので、このあてはめをしてみて検討するとわかりやすいかもしれません。
例えば、よく例示として挙げられる法人からの贈与（個人間ではないの贈与税は適用されません。相続税法21条の3第1項1号）。
これについて、あてはめてみますと、①営利目的として継続した行為からの所得か⇒ただのもらい物なので営利目的の行為はないので、「否」 ②労務その他の役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質があるかどうか⇒こちらも法人からただで譲り受けているので、反対給付の性質はないので「否」
よって雑所得ではなく、もちろん上記8つの所得でもないので、一時所得に該当。
一方、雑所得の代表格である公的年金についてみてみますと、①については、特に当てはまりませんが、②については、年金を所定の期間払い込んだ結果としての受給権を得ているので、②については該当。よって一時所得からは外れ、上記8つのいずれにも該当しないので、雑所得となる。
まとめ
今回は、一時所得と雑所得の考え方について少し整理してみました。
自分もたまにお客様から聞かれたときに説明に戸惑ったりしますので、今回の整理を機会にスムーズにご説明できるようになればと思います。
【子育て日記】
我が家では、保育園から帰ると、まずおやつ（もちろん保育園で3時のおやつはいただいてます）。
長男は、親が用意するとすぐに自分で食べられますが、下の子は、どうしてもこちらの助けがいります。
なので、我先にと食べる長男を見ていると大手を振って「あーっ、あーっ、あーっ！」といって「わたしも」というアピールをします😊その時は必ず、わかっていますよ~と声をかけて本人をなだめています(´・ω・`)
