間違えやすい年末調整における留意事項

おはようございます。
川越・ふじみ野・富士見・三芳エリアで活動する公認会計士・税理士の榎本です。

 

目下年末調整の対応に追われている経理担当者の方が多いのではないかと思います。

 

如何せん1年に一度の業務なので、どうしても記憶が薄くなってしまう論点もあり、そのあたりの記憶を呼び起こし毎度見直すところはあります。

 

今日は年末調整における注意点について自分の過去の実体験の中であった、お客様もよく間違えられていた点をもとにご紹介いたします。

年末調整-扶養控除申告書・配偶者控除申告書

扶養者が年途中で亡くなった場合

従前から扶養にされていたご家族が年の途中で亡くなられた場合は、その年の扶養控除には亡くなられた方を含めて年末調整することになります。

 

児童手当導入以前、年少の子供も扶養控除できた時代は、年末までに生まれたお子さんは扶養控除の対象にできていましたので、人的控除については、年末調整の日の現況に基づくということを原則と思い込みがちです。

 

この考え方からすると年末調整の時点で亡くなっているから控除できないと考えられそうですが、扶養親族が亡くなった場合は、亡くなった時点で扶養であれば、その年の年末調整でも扶養控除にできるというやや例外的な措置になっています。

寡婦・寡夫控除の取り扱い

結婚後、死別、離婚などで配偶者の方がいない寡婦(女性)・寡夫(男性)の方については、女性と男性の場合で少し条件が異なりますので、慎重に適用を検討する必要があります。

 

まず、男性の寡夫の場合は、所得条件(合計所得500万円以下)と子供の扶養(生計を一にする子)が条件となっておりますので、お子さんがいらっしゃらない方はそもそも寡夫控除の対象にはなりえません。

 

この辺りは、男性が世で働くということが一般的という社会的規範が見え隠れします。

 

一方寡婦(女性)の方については、男性よりもパターン分けが複雑。

 

①死別又は離婚等で配偶者がおらず、扶養親族の子供がいる場合でかつ合計所得が500万円以下なら特別の寡婦、②死別又は離婚等で配偶者がおらず、子供または扶養の親族(子供以外)がいる場合は通常の寡婦、③死別で配偶者がおらず、合計所得500万円以下の方の場合は、扶養親族の要件なしで通常の寡婦。

 

以上のように少し場合分けが複雑です。

 

しかし、先日の税制改大綱で2020年以後はこの辺りが少し整理されますし、ひとり親(婚姻経験がない方)への配慮も新しく作られました。

配偶者や扶養控除を検討する際の所得の見積もり

この所得見積もり額は、給与などの収入額ではなく、収入額から給与所得控除(大抵の場合は65万円)を引いた金額を記載するのですが、よく収入額をそのままご記入されていることが多いです。

 

そうすると、本当は控除対象なのにそうではないという誤った判定になりかねませんので、注意が必要です。

年末調整-保険料控除申告書

生命保険料控除でよくあるのが、年調対象者の方ではない方が契約者として記載されている保険料控除証明書を見ることがあります。

 

ここで一つ注意したいのは、控除対象となる保険料は、あくまで年調対象者自身が支払っている範囲であれば問題ないので、その点は必ず確認するようにしています。

 

逆に、保険料負担を年調対象者の方がしているのであれば、例えば契約者が奥さんであったも控除可能となります。

 

続いて、国民年金保険料について。口座振替で定期的に引き落としている場合であれば、はがきで来る証明書の金額をそのまま使えばいいのですが、時折前年以前の分をまとめて支払われる方がいらっしゃいます。

 

その場合は支払った年の社会保険料控除として取り扱いますので、払った年月がわかる証明書を添付してもらう必要があります。

年末調整-住宅借入金控除申告書

住宅借入基金控除についてで少し注意が必要なのは、連帯債務者の方がいる場合。

 

この場合は、年調対象者が確定申告の際に借入金控除に関しての計算書で記載した連帯債務者との負担割合をもとに、控除可能額を計算する必要があります。

 

例えば、金融機関からの残高証明書に連帯債務と書いてあり、残高は総額しか書いていない場合は、別途個別にあるべき残高を計算する必要がありますので、注意が必要です。

まとめ

年末調整業務は、季節性のモノであり、定期的にあるものではないためどうしても網羅的に記憶に定着させておくことが難しいところもあります。

 

先に書いたような論点は、少しイレギュラーなところがありますが、時折出現します。

 

こうしたことに対処するためにも、個人的には、必ず年末調整の時期が近づいたら、昨年以前のおさらいと改正点を抑えることで、業務を効率的かつ正確に進められるようにしています。

【子育て日記】
長男の公文の問題が先週の宿題から3桁の足し算にパワーアップ。2桁の時もそうでしたが、最初はどうしてもなれないところがあり、間違いが増えてしまいます。

 

そうすると本人もやる気が落ちがちなので、親としては無理せずボリュームを減らしてもらったり、間違いを一つずつ丁寧に確認してあげるようにしています。しばらくすると慣れが出てきて間違いも減ってきますので。

 

妹は、柑橘類を含め果物をよく食べてくれますので、最近1か月以上は、発熱なども出ておらず健康な毎日を過ごせており、親としても助かっています。