高校野球はあくまで教育の一環~大船渡高校の佐々木投手の登板回避を見て思ったこと~
おはようございます。
川越・ふじみ野エリアで活動する公認会計士・税理士の榎本です。
毎年、7月の梅雨明けが近づくと、高校野球の地方大会が盛り上がり、高校野球に関する話題がニュースで多く取り上げられます。中学、高校と野球をやっていた自分としては、毎年、甲子園を含め、高校野球の地方大会のニュースは夏の風物詩として楽しんでいます。
そんな中、先日行われた高校野球宮城県大会の決勝戦で、大船渡高校の佐々木投手が登板を回避したことについて、各方面で色々と賛成や批判のご意見が出ていますが、個人的には登板を回避してよかったと思っています。
高校野球の場合、夏の大会が始まると、選手の体調管理のために、合宿をするところもあり、選手の日常をより身近な立場で監督は見ることが多くなります。その一番近くで見ている監督が選手の疲労や体調の不調を感じ取り、故障の恐れがあることを危惧してご判断されたのであれば、周りはそれを尊重してあげる必要があると思います。
確かに、全国の高校野球ファンにとっては、160㎞/hのボールを投げる高校生を是非甲子園で見てみたいという思いはあるでしょうし、地元の人にとっても、県立高校が甲子園に出れば、地元も盛り上がりますし、大いに期待はしていたと思います。
一方で、高校生はあくまでプロ野球選手のように職業でやっているわけではないので、あまり大きな期待をかけてしまうのも酷というものです。彼らは、若干17,8歳の子供であり、親や兄弟、友達、地元の人たちから期待されれば、それに応えなければという思いで無理をしてしまうこともあると思います。そういった彼らの気持ちをうまくコントロールし、ケガをなるべくしないように全力プレーをさせてあげるために監督やコーチがいます。
監督やコーチもできることなら、子供たちに一勝でも多く勝たせてあげたいと思う気持ちがある一方で、選手たちを預かる身としては、しっかりと境界線を決め、無理のない範囲でプレーさせてあげるという責任もあり、常にそのあたりは葛藤がつきまとっているのではないかと推察されます。
そもそも高校野球は、部活動の一環としての枠組みの中で行われていますので、見ている人たちに感動を与えたり勇気を与えたりする側面があるものの、そこはあくまで副次的なものとして考え、ショーやビジネス色を強めないようにする必要があります。
大事なのは、部活動の中で上下関係を学んだり、チームメイトとの絆を深め、交友関係を広めたり、監督、コーチたちと野球を通じて組織の在り方を学んだりし、個人が成長していくことだと個人的には思います。高校を卒業した後も子供たちの人生は続きますので、その中で部活動で学んだことを生かしていければ、高校野球をやっていてよかったと思えるのではないでしょうか。
また、かつては、精神論や根性論を優先してしまい、将来有望な選手が高校の部活動での疲労の蓄積を原因として選手生命を短くし、結果的にプロ生活が短くなってしまった例が多くありました。
今回の出来事をきっかけに部活動の在り方を考え、選手の体調や安全を最優先できる指導が今後広まっていけば、選手生命を縮めるような無謀な指導が減っていくのではないかと期待しています。
【子育て日記】
昨日から日曜まで妻が夏休みということもあり実家に子供を連れて帰省しています。
久しぶりに、一人の時間ができたので先日買ったパズルを少し進められますが、普段の喧騒がないのもまたちょっと寂しい。