会費と一言で言っても消費税の取り扱いは様々

おはようございます。
川越・ふじみ野・富士見・三芳エリアで活動する公認会計士・税理士の榎本です。

 

ここ最近、消費税改正の話題で消費税のことについてよく考えることが多くなっている気がします。

 

消費税の計算は、所得に基づくものではないので、税金がかかる課税・税金のかからない非課税等といった考え方の概念をとらえにくい部分があります。

 

課税か非課税か判別をする際に悩む項目の一つに、会費という名目があります。

 

単に、会費と一言で言っても、カード会社に支払う年会費のようなものから、各種団体に加盟している(例えば地元の商工会や法人会等)会費などいくつか種類が分かれています。今日は、この会費と消費税の関係について掘り下げてみます。

消費税の性格についておさらい

まず、会費の消費税について考える前に消費税の基本的な考え方について押さえておきます。

 

消費税の課税についての基本的な考え方は、何度か記事にいたしましたが、以下の4つの要件を満たした場合は、一般的に課税されることになります。
  1. 国内で行われる取引

  2. 当該取引において資産の譲渡、貸付並べに役務(サービス)の提供がある

  3. 事業者が事業として行う⇒反復継続的に行うことがポイント※これは、個人が消費者として行う行為(例えば自家用車の売却等)には、消費税を課さないという意味です

  4. 対価を得て行う⇒無償の行為は原則対象外(例外として家事消費等がありますがここでは割愛)

     

    しかし、実務において行われる取引の中には、取引の内容から政策的に非課税となったり、取引実態が消費税の課税になじまないもの等は非課税になったり、取引の要件の一部を満たさないために不課税となったりするなど税金がかかるものとそうでないものが複雑に分かれています。

     

    会費に関しても、会計科目としては諸会費などとして処理しますが、よく中身を検討しないとその取引が消費税の課税なのかそうでないのかは判別がつきにくいというのが正直なところです。

消費税が課税される会費

会費という名目で支払うものの中で、消費税が課税されるものとしてよく登場するのがクレジットカード会社への年会費です。

 

クレジットカード会社への年会費は、クレジットカード会社がカード会員に対して、年会費の対価としてクレジットカードの利用を可能としている等、役務提供の対価が明確ですし、上記の4つの要件に照らしても何れも満たしていることから、消費税は通常課税されます。

消費税が課税されない会費

一方で、消費税が課税されない会費として代表的なものに、事業者が加盟する組合や同業者団体等の通常運営にかかる費用として徴収される会費が該当します。

 

これは、通常、徴収する会費とその対価としての役務提供が明確でないという場合が多く、すなわち、お金を支払って何かをしてもらっているということが明らかでないという理由で、不課税(消費税がかからない)という扱いにするのが一般的です。

 

当該会費の領収書などにも消費税に関しての記載はなされていないことが多いというのもそういった理由からだと考えられます。

 

ただし、名目が会費ということであっても、研修や何らかの施設利用権が供与されたり、何らかの役務提供がされる場合には、課税取引として処理することになります。(消基通5-5-3、11-2-6)

まとめ

消費税は、所得税や法人税と違って、所得に直接関係するものではないため、中々その判定が難しいところがあります。

 

自分自身も実務で適宜確認しながら進めています。今後も気になる事例があったら、ご紹介していければと思います。

【子育て日記】
長男がようやく掛け時計の時間がわかるようになってきました。

 

デジタル時計は、数字が読めるようになってすぐわかったのですが、掛け時計は、長い針と短い針の時間の進み方の違いがどうしても理解しにくかったのか中々読めませんでした。

 

小学校前にわかってもらえて親としてはひと安心。小学校では、恐らくデジタル時計はないと思うので、学校の授業の時間や休み時間を確認できなかったらどうしようと心配でしたので。

 

下の子は、涼しくなってきたのに寝る前によく水を飲みます。そのせいか毎朝のおむつの状況が大変なことに(´;ω;`)