よい先生・よい家族と子供の成長~「先生と私」を読んで~

おはようございます。
川越・ふじみ野・富士見・三芳エリアで活動する公認会計士・税理士の榎本です。

 

先日、佐藤優さんの幼少期から浦和高校入学までに出会った人生の恩師と呼ばれる方たちとの出会いと当時の思い出を書かれた「先生と私」を読みました。

 

この本では、佐藤さんが小学生のころから高校入学までに出会った自身の師となる方たちとの出会いをご本人目線で描かれており、当時の記憶を思い起こしながら、さも今自分がその当時にいるような感覚で読むことができます。

 

佐藤さんのご出身は、大宮市(現在のさいたま市)ですが、本の中では当時の埼玉県大宮市の状況、市内の学校、子供を取り巻く環境、今はなくなってしまった塾等が登場するなど、同じ埼玉県人として親近感を感じながら読めました。

 

ちなみに、こちらの本は、以前ご紹介した「十五の夏」以前の時代が描かれており、どういった経緯で十五の夏に東欧やソビエトに行くかの謎がわかりました。

周りの大人たちがよい師となるように

本の中では、佐藤さんが成長する中でご自身がアマチュア無線(お父さんが日本軍の通信兵だったことも影響)、語学、社会主義、哲学、政治など、様々なものに興味を持ち、それを自分で調べたり、塾の先生や学校の先生に聞いて解決していく姿が描かれておりますが、その姿は、客観的にみてとても大変大人びた子供だなという印象を受けました。

 

この本を読みますと、佐藤さんご自身の知的好奇心や知的欲求への姿勢やすごさがわかるとともに、周りの大人がどのように子供の成長を支えていったほうがよいのかといった視点も勉強になります。

 

子供は、成長とともに興味や関心ごとが変化したり、一つのことに深く興味を抱く時期があるので、そういったときに大人は、その子の可能性をなるべく伸ばす方向に力を貸してあげることが大切だなと思いました。

 

例えば、興味を持ったことに関連する本を紹介し、その本を通じて興味を持ったことについてより深く学ぶ機会を与えてあげるなど。

 

自分自身も子供時代を振り返ると、何でも興味をもって調べた時期がありましたが、そうした時に、周りの方、両親や先生が手を差し伸べてアドバイスやきっかけをくれたことを記憶しています。

 

今の時代、共働きで時間に追われがちな世の中ですが、子供が興味を持ったり何か調べたりしたいという姿勢を見せたときは、それが今勉強していることとは直接つながらなくても、余裕をもって見てあげることが大切かなと、今回の本を読んで思いました。

 

一方で、佐藤さん自身も時折思い込みや狭い見方をしてしまうとことがあるシーンが描かれていましたが、子供は人生の経験が少ない分、どうしても多少の思い込みや考え方で狭い味方をしてしまうこともあります。

 

そうした時に、相対的に多くのことを経験している周りのの大人が広い見方や違った考え方もあるということを伝えてあげて、子供が誤った選択をしたり、見識が狭くならないようにすることが大切だなということもこの本を通して考えさせられました。

よい家族関係

またこの本の中で印象的だったのは、家族の絆。

 

佐藤さんのご家族は、両親と佐藤さん、妹の4人家族でしたが、数か月に一度必ず家族でテーブルクロスのかかるレストラン、いわゆるファミレスではなく、テーブルマナーなどを学ぶことができるレストランに行く習慣を大事にしていました。

 

これは、お母さんの希望だったようですが、お母さんが幼少の頃は、戦争や戦後の苦しい時代で毎日のご飯もままならなかったので、お子さんたちには少しでもおいしいモノを食べに行った記憶を残してあげたいといった気持ちからこうしたことを家族の習慣にしていたようです。

 

今でいう「モノ」ではなく「コト」消費に力を入れ、モノよりもコトを通じた体験の方が子供たちの記憶に思い出としてしっかり残ると信じて続けられていたようです。

 

モノをもらったときの喜びはその一瞬で終わってしまいがちですが、コトを通じた喜びや楽しみは思い出として人の記憶に残りやすいものです。

 

ですので、自分もモノをもらっての喜びよりも家族で楽しんだ思い出を子供たちに少しでも残してあげ、子供たちが大きくなったときに自分たちの子供にも同じような体験をさせてあげたいと思えるようにしてあげたいと思いました。

先生たちと議論をして主体性・自主性を持つ

この本の中でもう一つ印象的だったのは、自分が疑問に思ったときは必ず聞いて、納得いくまで相手と議論し、自分の意見をしっかり持つこと。

 

自分で考え、答えを求める姿勢というのは、学校で勉強している間だけではなく、社会に出た後も必ず必要な姿勢なので、こうした姿勢を持ってもらえるように周りの大人たちがうまく子供をサポートしないといけないかなと思います。

 

教育で難しいのは、一方的に大人から子供に教え込んでしまいがちになり、本人がいつも受け身になってしまうと、主体性・自主性といったものが子供の中で育ちにくくなってしまいます。

 

一方で、子供は自分のしたいことを思う存分したいという気持ちがありますので、そのあたりの気持ちを尊重しつつ、少しでも知的好奇心をくすぐるような方向に子供との会話を通じ、大人がリードしてあげられるのが理想ではないかと思います。

最後に

この本自体は、直接的な教育本ではありませんが、ところどころにご両親や塾の先生、学校の先生など周りの大人が子供の成長にどういった影響を与えていくかが描かれております。

 

子供の可能性をどう伸ばしていけばいいかといったヒントになる出来事が詰まっていますので、お子さんを持つ親御さんは一度読んでみてもいいかもしれません。

【子育て日記】
下の子がパパママ以外に初めて二語分をはっきりと「電車きた」といえるようになりました。

 

その後いろいろなことを言おうとしているせいか、電車きたを言ってくれませんが、本人の中で色々と大きな変化が起きているようです。

 

兄も妹の変化を感じているのか、妹が新しいことを言うたびに両親に報告してくれ、みんなで妹の成長を喜んでいます。