本当の意味での業務効率化を進めるには~働き方改革と生産性について考える~
労働時間短縮と労働生産性
今週から始まった日経新聞の「働き方進化論」というコラム記事の中で
「味の素」の勤務時間の短縮が紹介されていました。
当社は、現在所定勤務時間を7時間15分としているが、2020年度までに
7時間労働を目指すそうです。
もともとは、7時間35分でしたので、それと比べると実に35分の短縮になります。
一方、当社は、働く時間を短縮しても、業績は、堅調に伸びており、
結果的に労働生産性も上がっています。
この結果について、
業績=労働生産性×労働時間
という方程式で考えた場合、
従来は、後者の「労働時間」を増やすことにより、業績を伸ばしていましたが、
近年は、働き方に対しての意識改革も進み、前者の「労働生産性」を
上げ、後者の「労働時間」を減らしても、掛け算の結果である業績を
伸ばすという形に変わってきたことがうかがえます。
労働生産性をあげるには
では、労働時間⤵でも労働生産性⤴によって業績⤴となったわけですが、
どのようなことがポイントだったのでしょうか。
記事の中では、以下のことが主な内容として紹介されていました。
①会議をウェブ化し、会議のための移動時間などを削減
②会議や社内資料のペーパーレス化により資料作成時間を削減
③マーケティング業務の自動化
これ以外にも恐らく各部署、各人の工夫が積み重なって
全体の業務時間を削減しても、業績向上につながったのではないかと
個人的に思います。
組織が大きくなれば、部署や場所が変わるだけで(本社か工場か
本店か支店か、本店か営業所か等)、業務の流れや
仕事のやり方は様々で、会社の歴史が古ければ古いほど昔からのやり方が
伝統として残っていたりして、中々それらのものにメスを入れるのは
難しいものです。
自分自身、今まで3つの会社で働いてきましたが、会議時間が
どうしても長くなってしまったり、会議のための資料も必要以上に量が
多くなったり、紙を使いすぎてしまったりと
今振り返ると無駄と思われるものが多かったと感じます。
ただ、これらは組織文化や社風、ボスの意向等が絡み合い
簡単には、変えることができないというのも併せて実感しました。
効率化には意識改革が必要
日経新聞では「味の素」が紹介されていましたが、
世の中のすべての会社で、当社のように業務の効率化⇒労働生産性⤴⇒業績⤴という流れを
作れば、日本経済全体の生産性も今よりは向上していくのではないかと思います。
しかし、現実問題、すべての会社でこれができているように思えません。
日本政府も「ここ何年も働き方改革」の旗振りをしていますが、
十分に進んでいるか?
と問われると個人的には、もやもやっとした感じです。
では、これらを成功するにはどうすればいいかと個人的に考えてみました。
一番のキーは、「個人の意識」ではないかと。
法律や条例、組織内の規定等ハード面をいくら整備したところで
これらを運用する人間の意識が旧来のままだと絵に描いた餅に終わってしまい、
本当の意味での働き方改革は進まないのではないかと思います。
先に紹介した、会議のウェブ化、ペーパーレス化、業務の自動化等それらは
全て結果であり、いずれもこれを進める「人」の意識がしっかりしていたから
達成できたのではないかと思います。
ですので、個人的には「人」の意識改革こそが働き方改革につながっていきますので、
この意識改革を根本的に進めるには、組織のトップがまずそれを示し、
そこで働く従業員ひとりひとりがそれを進めやすい雰囲気を作っていくことで、
結果的に本当の意味での働き方改革の一環としての「業務効率化」が
達成できるのではないでしょうか。