情報伝達とリスク評価の重要性~餓死した英霊たちを読んで~

おはようございます。

 

川越・ふじみ野・三芳・富士見エリアで活動する公認会計士・税理士の榎本です。

 

以前書きましたが、社会人になってから向学のために読書を定期的にしており、常に複数のものをゆっくりと読んでいる感じです。

餓死した英霊たち

現在もいくつか読んでいますが、その本の中の一つに、以前このブログでご紹介した加藤陽子さんの著書「それでも日本人は「戦争」を選んだ」で触れられていた「餓死した英霊たち」という本があります。

 

この本は、旧日本軍の士官であった藤原彰さんという方が書かれた本で、太平洋戦争での死者の多くは、戦死(銃撃などで亡くなった方)ではなく、餓死(栄養失調などによる病死も含む)であり、旧日本軍が情報、食料、補給、輸送等を軽視したために、多くの餓死者を戦地で発生させてしまったという内容で、いくつかの章立てで紹介されています。

 

この本を読む中で、いくつか重要だなと思ったことは、組織内での「情報伝達」とそこで伝えられた情報についての「リスク評価」(危機管理)で、このあたりのことは現在の事業経営にも通じるなと改めて思いました。

情報伝達とリスク評価の重要性

現在の事業経営における内部統制の重要な要素にも「情報伝達」や「リスク評価」という項目があり、これは主に各部署で把握したリスクやコンプライアンス問題、法令違反等、事業経営に関わる情報を速やかにかつ正確にマネジメントに伝え、それをもとにマネジメントが適宜適切に判断できているかどうかで、その有効性を判断したりします。

 

この視点で考えますと、先の「餓死した英霊たち」の中で書かれていた旧日本軍においては、内部統制の情報伝達やリスク評価機能が十分に機能していなかったなと改めて思いました。

 

一つ例を上げてみますと、南方支援作戦の一つであるポートモレスビー(現在のパプアニューギニアの首都)作戦があります。

 

この作戦では、ニューギニア島の北部に上陸し、その後標高4000m級の山脈を徒歩で越え、その先のポートモレスビーを目指すという内容でした。

 

作戦実行にあたり、現地を事前に視察した士官からの情報では、食料の補給や輸送の確保などの面で難しいので見直すことを司令部に伝えました。

 

しかし、軍司令部は、食料補給や輸送といった情報よりも、既に立てた作戦の実行を優先した結果、沢山の餓死者を発生させていまいました。

 

こうした内容の話は、現代の事業経営でも時折起きております。

 

例えば、フロントサイドが掴んだ損失や事業場のリスク等の意思決定に有用な情報をトップマネジメントがしっかりと吟味せずに、既に立てた予算や計画を優先するといった行動に出てしまい、結果として損失を発生させてしまったという事例と類似しているように見て取れます。

まとめ

「歴史は繰り返される」と、よく言われますが、現代に生きる自分たちは、先人たちが経験したことは成功だけでなく失敗も含め必ず何か役に立つのではないかと思い、こうした歴史の資料を読むことが大切だなと改めて思いました。

【子育て日記】
2泊3日のサッカー春合宿から長男が無事帰宅。少し疲れていたようですが、それ以上に楽しかったのか、早くも次の合宿がいつか気になる様子。

 

また、気持ち的にも燃え尽き症候群という感じくらいに合宿ロスで、明日からまた合宿行きたいと行ってしまう始末。

 

なんにせよ本人が楽しめ、成長できたことが親としては一番の収穫でした。

 

妹も兄が帰宅したせいかこころなしか嬉しそうにしていましたが、テレビが独占できなくなってしまったのはちょっと残念そうです。