サブスクリプションビジネスについて考える

おはようございます。
川越・ふじみ野エリアで活動する税理士の
榎本です。
最近、ネットや新聞記事などで
よく目にするサブスクリプションという言葉。
なんだか聞きなれない言葉ですが、
よく聞くと普段使っているものだったりします。
今日は、このビジネスモデルと自分の仕事について
少し考えたいと思います。

サブスクリプションビジネスとは

サブスクリプションビジネスは、英語の
Subscribe(定期購読する)という言葉から
来ています。
要するに、決められた期間の利用に対して
一定料金を支払えば、あるサービスを
自由に使える利用権を得る形のビジネスモデルです。
皆さん普段から何気によく使っている
  • 動画や音楽の配信サービス
  • 新聞のデジタルサービス
  • MicrosoftOffice365やAdobeCloud等のPCソフトウェア
  • テーマパークなどでの年間パスポート
  • 居酒屋の飲み放題
  • 焼肉屋の食べ放題等
様々なところで以前から使われてきました。

サブスクリプションビジネスのメリットデメリット

利用者側にとってのメリット・デメリット

サブスクリプションビジネスは、
利用者側にとって、固定料金と引き換えに
サービスを自由に利用する権利を交換できるので、
当該サービスのヘビーユーザーの方にとっては、
かなりメリットがあるともいます。

 

一方、それほどそのサービスを使わない方にとっては、
このオプションは、メリットがなく
利用に応じた料金体系の方が好まれます。
個人的には、受けるサービスによって
どちらかを選択しているので、
今後も様々な業界で広がるといいなと思っています。

サービス提供者側のメリット・デメリット

サブスクリプションビジネスのサービス提供者側の
メリットとしては、
固定のお客様を一定量確保でき、売上もそれに伴って
一定金額見込めますので、経営を見通すうえでは、
大変助かります。
以前お付き合いしていた会社でも
名称は違いますが、サブスクリプション型の
サービスをいくつも提供しており、
予算設計をする際には、その部分は
確実に売上が見込めるということで、
予算も立てやすかったようです。

 

しかし、見込んでいた以上の利用によって
採算が悪化することもありますので、
金額設定については、難しい判断が迫られます。
利用者側にとってのお得感と
サービス提供者側の損益分岐点という意味で。

 

ですので、すべての経営者にとって打ち出の小槌と
ならないこともあるので、導入は慎重に
検討する必要があると思います。

サブスクリプションに向く業種とそうでない業種

このサブスクリプションビジネスですが、
どの業種とも相性が良いかというとそうでないという
結果が出ているようです。

サブスクリプションビジネスと相性の良い業種

まず、サブスクリプションビジネスと相性の良い業種の
一つとして動画や音楽配信のビジネスが挙げられます。
これは、ソフトをユーザーに提供する際に、
追加でかかる原価が少ないことが挙げられます。
ソフトを自社開発してしまえば、
後はユーザーにネットを使って配信するだけなので、
追加でのランニングコストはたかが知れています。

サブスクリプションビジネスと相性の悪い業種

一方、飲食業界等で、
例えば月極で5,000円で何度来店しても
お酒飲み放題とした場合、想定した以上の
来店頻度になりますと、赤字になるリスクが発生します。
これは、固定でいらっしゃるお客様は、
一定回数以上来店されると、飲み物については
提供するだけ赤字になり、一緒に注文される
食事でその赤字を補填できなくなるためです。

 

また、固定料金のお客様が増えれば、
その分スポットで来店されるお客様をうまく
店内に呼び込めず、機会損失を発生させてしまう
可能性も出てきて、結果的にお客様一人当たりの
利益率が下がるということにもつながります。

 

ですので、業種として相性が厳しい場合は、
値段設定や来店頻度の予測などについて
しっかりとした統計を取って、
適宜サービスを見直していくといった難しさは
常時の課題となりそうです。

サブスクリプションビジネスと税理士業

翻って、自分の仕事の一つである
税理士業、特に顧問業務は、
サブスクリプションビジネスの
一つと考えられますが、
相性としてはどうでしょうか。

 

個人的には、ひとり税理士として
対応していく分には、それほど
相性が悪くないのではないかと思います。
固定費についても、比較的少なくて済みますし、
動画や音楽配信サービスのように
最初の投資でサービス内容をある程度固めれば、
自身の知識や経験、技術を
お客様の依頼頻度に応じて
提供していきますのでそれほど悪くはないかと。

 

ただ、注意点があるとすれば
金額の設定かなと。

 

先ほどの飲食業で書いたように、
想定の対応頻度が当初考えたものを
上回ってしまうようだと、
金額に見合わなくなりますし、
その他のお客様への対応の機会や
新しいお客様とのお仕事の機会を
損なってしまいますので、
金額設定については慎重に行っていく必要が
あるかなと思っています。

【編集後記】
先日PaypayをFMで使ったのですが、
T-pointを合わせて使おうとしたら、
Paypayはご利用できませんと。
交通系の電子マネー(SuicaやPasmo等)は
利用できるようでしたが。
で、結局、スイカがあったので、それで済ませましたが。
なんだか、キャッシュレスを進める動きは
良いですが、ちぐはぐなところがまだあるので
今後改善をしていってもらえればと思いました。